レッドソックスに2人目の女性コーチ誕生 同一球団2人は史上初

「ボストン・グローブ」のアレックス・スパイアー記者によると、レッドソックスはケイティ・クロールを傘下AA級ポートランド・シードッグスの選手育成コーチとして採用することを決めたようだ。1年前、レッドソックスはビアンカ・スミスをマイナーのコーチとして採用しており、レッドソックスの球団組織における女性コーチはクロールが2人目。近年、女性登用が進んでいるメジャーリーグだが、同一球団に2人の女性コーチが所属するのは史上初めての出来事となった。

クロールはメジャーリーグ機構で経済・運営コーディネーターとして2年間働いた経験があり、その後はレッズで野球アナリストを2年間務めた。さらに、球界における自身の価値を高めるためにレッズからグーグルへ転職。グローバル戦略チームで2カ月を過ごしたが、クロール自身が思っていた以上に自身の価値は高く、レッズを退団すると他球団からすぐに連絡が届いたという。「グーグルでは素晴らしい上司に恵まれ、チームワークもよかった。でも、野球が恋しくなった。グーグルに転職することは回り道だと思っていたが、こんなに早く球界に戻ってこられるとは思っていなかった」とクロールは語る。

シカゴ出身のクロールの最大の強みは数字を読み解く力だが、子供時代によくカブスやホワイトソックスの試合を見に行くなど、野球への情熱も併せ持っている。また、現在はシカゴ大学でMBAを取得中であり、「春には卒業したい」と話している。今週は早速、レッドソックスの有望株28人が参加するミニキャンプに参加。「スプリング・トレーニングのためのスプリング・トレーニング」と呼ばれるこのミニキャンプで、クロールは「素晴らしい経験ができている。金曜日に終わってしまうのが悲しい」と充実した日々を過ごしているようだ。

「(コーチとして)フィールドに立つなんて絶対にあり得ないと思っていた」というクロール。しかし、4月からはポートランドで実際にコーチとして働くことになる。現在はまだ女性がコーチになるというだけでビッグニュースになる状況だが、「いつかは女性が当たり前のように採用されるときが来ると思う。(女性がコーチになるということに)ニュースバリューがなくなることが最終的な目標だ」と力強く語った。

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