スマホで医療相談 糸魚川総合病院が参画 糸魚川市で実証実験 県ヘルスケアICT立県実現プロジェクト一環

 AI(人工知能)を活用したチャットボット(自動応答ソフトウェア)が救急相談に自動応答する「救急相談アプリ」の実証実験が26日から、糸魚川市で始まった。期間は3月31日まで。同市の救急医療を担う糸魚川総合病院が参画し、救急医療相談の充実を図る。

スマートフォンで手軽に利用できる

 ICTを活用して医療・健康課題の解決を図る「ヘルスケアICT立県実現プロジェクト」の一環。県と採択事業者のBSNアイネット(南雲俊介社長)が協働しての取り組みで、同社が開発した同アプリを通じて救急相談の利便性向上、救急医療機関の負担軽減などに向けて実証実験する。

 アプリは24時間対応のチャット形式。フリー入力で症状などを相談することができ、その内容を基に5段階での緊急度判定、対応のポイントなどの情報が得られる。

 1次救急対応時間(平日午後6時~同10時、日曜祝日午前8時30分~午後0時30分)は、相談結果の最後に「糸魚川総合病院へ電話する」といったアイコンが表示され、タップすると同病院につながる。 

 26日は糸魚川市民会館で報道向け説明会が開かれ、同社の今井正明ヘルスケアビジネス事業部長は「新潟県は医師が不足しており、ICTを活用した形で地域貢献したい。事業(同プロジェクト)としては来年度以降も積極的に県に働き掛けるなどして、全県的な取り組みに普及させていきたい」と意気込んだ。

 同市の池田隆健康増進課長は「市全体の適切な救急医療、受診、安全安心、市民サービスの向上につながると考えている」と期待し、市民に積極的な利用を呼び掛けた。

 同アプリは、LINEアプリの「友だち追加」により利用できる。そのための2次元コードは、糸魚川市ホームページなどに掲載されている。

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