積雪断面を観測 雪崩発生の危険性も 土木研究所雪崩・地すべり研究センター

 土木研究所雪崩・地すべり研究センター(妙高市錦町2)は4日、同センター内で積雪断面の観測を行った。今冬は雪の層が幾層にも分かれた状態で、新雪が積もると崩れて雪崩につながる恐れがあるとして、今後の降雪予報に注意するよう呼び掛けている。

4日に行われた積雪断面の観測。降り積もった層ごとの様子を記録した

 観測場所の積雪深は4日午前9時の時点で150センチ。昨冬は12月中旬、年末、年始めと雪が降る時期が分かれた影響で上から新雪、しまり雪、ざらめ雪がしっかり分かれていたが、今年は降る時期がばらけたため雪の層が幾つも重なっていた。

4日現在の積雪断面。雪が降った日がばらけ、細かい層がいくつもできていた

 判田乾一所長によると、今年の雪は山沿いを中心に降る「山雪」で、降雪状況は妙高市関山で昨年とほぼ変わらず、上越市安塚は少ないという。心配されるのは今後の融雪期。1日に金沢市で住宅地近くの斜面が崩れ、国道159号まで流出したが、雪解けが影響した可能性があるという。

 糸魚川市来海沢の地滑りについては「雪解けの影響はあると思うが、最新の機材でモニタリングしているので、異常があればすぐに分かる」と解説。「今年の雪は、少なくないが多くもない。新雪が積もると崩れる恐れがあるので、降り方に注意してほしい」と話した。

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