1月1日から12月31日までの1年間の収入および納税額を確定させる、2021年分の確定申告が2月16日（水）に始まる。申告・納税期間は、所得税等が3月15日（火）までで、個人事業者の消費税等は同31日（木）まで。ただし、新型コロナウイルスの影響によって期限内申告ができない場合は、申請をすることで、4月15日（金）まで期限が延長される。国税庁は、感染拡大防止のためにも、自宅等から24時間いつでも申告書を作成・提出できるe-Tax等の利用を推奨している。
所得税等
所得税および復興特別所得税の確定申告は、1月1日から12月31日までの1年間に生じた全ての所得の金額と、それに対する所得税等の額を計算し、源泉徴収や予定納税等で納めた税金との過不足を精算する手続きだ。必要なのは、主に次のような場合。
給与収入が2000万円を超えている▽給与所得以外に20万円を超える収入がある▽2カ所以上の会社から給与をもらっている▽年の途中で退職し、年末までに再就職していない
還付申告
また、確定申告をすることで、納め過ぎになっている税金が還付されることもある。具体的には、次のようなケースだ。
ふるさと納税など寄付をした（寄付金控除）▽医療費が10万円を超えた（医療費控除）▽家族合計で1万2000円以上の医薬品を購入した（セルフメディケーション税制）▽住宅ローンを利用して家屋を購入した（住宅ローン控除）▽災害や盗難などで資産に損害があった（雑損控除等）▽夫と死別（寡婦控除）▽離婚して子どもがいる（ひとり親控除）▽マイホームの売却や株取引などで損をした（損益通算と繰越控除）
Nacに申告会場
山口税務署（TEL083-922-1340）によって、2月16日から3月15日までの平日午前9時から午後5時（受け付けは午前8時半から午後4時）まで、山口市中心商店街にあるNac（山口市中市町3）に確定申告会場が設置される。また、2月20日と27日のみ、日曜日にも開設される。
「密」を作らないため、入場には各日配付される整理券が必要だ。国税庁のLINE公式アカウントを利用すれば、オンラインで事前に整理券を受け取ることもできる。
e-Tax
国税庁は、コロナ禍の中e-Taxの利用を、従来以上に強く呼びかけている。既に80パーセント以上の人が、確定申告会場には行かずに申告をしており、e-Taxの利用者も、2017年分（約52万人）から2020年分（約321万人）までの3年間で約6倍に増えたという。
自宅等から24時間いつでも申告書を作成・提出できるe-Taxは、スマートフォンとPC、どちらからでも利用できる。「マイナンバーカード方式」か「ID・パスワード方式」かを選択して利用することになり、前者はマイナンバーカードの所持が、後者は税務署での本人確認が求められる。そして、「マイナンバーカード方式」の利用には、昨年まではICカードリーダライタが必要だったが、今回からはスマートフォンで代用できるようになった。さらに、カメラ撮影によって「給与所得の源泉徴収票」が自動入力できたり、自動入力・自動計算してくれる範囲も増え、年々便利になっている。
だが、スマートフォンやPCに不慣れだったり、自分自身での申告に不安のある人は、プロに任せればe-Tax同様申告会場に行かずとも良い。信頼できる税理士に相談したり、商工会議所や税理士会などが実施する相談会を利用するなどして、早めの申告を心掛けたい。
