〈2022北京五輪〉春日山神社、絵馬に願い フィギュア男子シングル・羽生選手 五輪氷上で謙信に 10日にフリー 「天と地と」演技

 北京冬季オリンピックのフィギュアスケート男子シングルは10日、フリー演技が行われる。五輪2大会連続金メダリストの羽生結弦選手(27、ANA)は大河ドラマ「天と地と」(1969年放送)の音楽を使用し、主人公の上杉謙信を氷上で演じる。ショートプログラム(SP)は8位と出遅れたが、巻き返しが期待される。上杉謙信を祭神とする上越市の春日山神社には全国から同選手のファンが訪れ、絵馬に願いをしたためている。

春日山神社に掛けられている、羽生選手の活躍を願う絵馬

 「4回転アクセルを成功させて金メダルを取れますように」「『天と地と』のフリープログラムで4回転アクセル成功を祈ります」「けがが治り、彼の夢がかないますように」などと記されている。風間常樹彦宮司(77)によると、首都圏や兵庫県などからの来訪があるといい、昨年末に絵馬を外した時は羽生選手への願いのものが3分の1ほどあり、年明け1月中に新たに24個が掛けられたという。「ファンの方々がルーツや縁(えにし)をたどって来られるのはありがたい」と話す。

 1969(昭和44)年の放送時、同宮司は学生であり、帰省のたびに「春日山周辺が(観光)バスで大混乱になっていた」ことを思い出している。昨年12月の全日本選手権などをテレビで見て、「とても幻想的で、思いを込めた演技と音楽」との印象を抱いた。10日のフリー演技に向かう羽生選手に、「テレビで見て応援したい」と、ファンと共に好演技を願っている。

境内の絵馬掛け所の絵馬を見せる風間宮司(9日)

 羽生選手はこのプログラムを初めて披露した一昨年の全日本選手権で、「曲の背景には、上杉謙信公がいらっしゃる。僕が1位になることで、誰かが2位になったり、3位になったり、犠牲があるということを感じながらやっていたので、なにか謙信公の戦いということに関しての価値観みたいなものに影響されている」と話している。

ファンが記した絵馬の数々

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