コロナで苦境、横浜の共同店舗 地域の買い物弱者救済に一役 移動販売車で存在PR

ユニオンセンターが始めた移動販売車「ユニクマ号」=横浜市金沢区

 新型コロナウイルス禍で売り上げが落ちた共同店舗の販促事業として始めた移動販売車が、地域の買い物弱者救済に一役買っている。

 金沢商業センター協同組合(横浜市金沢区)が管理・運営する「ユニオンセンター」が走らせる「ユニクマ号」。販売先の野島(同)は近くにスーパーやコンビニエンスストアがなく、共同店舗と住民の間でウィンウィン(相互利益)の関係が生まれている。

 ユニオンセンターにはスーパー、飲食店、玩具店など25のテナントが入居。50年以上の歴史があり、地域に親しまれているものの、2020年には感染症の影響で客足が遠のき、売り上げは3割ほど落ち込んだという。

 同組合が販売促進のために行っていた恒例の夏と冬のお祭りも中止に。余った予算を使ってユニオンセンターをPRする取り組みができないかと考えた末、移動販売車にたどり着いた。

 県の「商店街等再起支援事業費補助金」を活用して軽トラックを1台購入。“走る広告”として、ユニオンセンターの名前や電話番号、住所の「泥亀」にちなんで亀の甲羅を背負ったキャラクター「ユニクマ」をあしらった。

 同組合がドラッグストアや飲食店などのテナントから商品をいったん買い取り、地域住民に販売する仕組み。スーパー単体での移動販売車は一般的だが、共同店舗として走らせるのは県内では珍しいという。

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