【高校発・みやざきSDGs】ー42ー宮崎南(上) 子育てテーマに調査

「授業をしない塾 赤江東地区放課後寺子屋」に参加し、課題解決策を探った生徒ら

 本校の普通科2年生5人は「子ども・子育て応援プロジェクト」というテーマで、地域と共に実践できる取り組みを行っている。活動をするに当たり、本校職員へのアンケート調査や宮崎市職員へのヒアリングを実施。あらためて子育て支援に対する需要の高さが明らかとなり、子育て環境を充実させることが人口減少や少子化に歯止めを掛けると考え、このテーマを設定した。

 取り組みとして「放課後に高校生が中学生以下の児童・生徒を預かる」ことを計画したが、児童・生徒の安全性の観点から、実現できなかった。そこで地域を調べると、赤江東地区青少年育成協議会が主催する「授業をしない塾 赤江東地区放課後寺子屋」の活動を知った。生徒たちは自分の理想に近い活動に興味を持ち、参加させていただくこととなった。また、本校での取りまとめや参加した本校生徒へのアンケートから課題を明確にし、改善を図るための検討を行っている。

 現段階で明らかになった課題は、活動の持続可能性だ。主催者からは「学校は生徒も先生も代わっていくが、地域は変わらない」と教えていただいた。どのような活動も、人が代わっていく学校現場では継続することの難しさを知った。

 この活動を通して生徒たちは、課題解決の対策はその場限りの取り組みだと効果が薄く、長期的な視点が大切であること学び、住み続けるまちづくりを考えるきっかけになったと感じている。(講師・中嶋遼河)

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