「LOVEマシーン/モーニング娘。」幕末の"ええじゃないか"にも通じる予言への不安を吹き飛ばす秀作

"日本のAORシンガー"伊東ゆかり

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J-popやフォーク、ニューミュージックから歌謡曲まで、'70~'90年代を中心に30曲前後をフルコーラスでお届けするSTVラジオ『MUSIC★J』(RCCラジオ同時ネット)。パーソナリティは、ポプコン出身のシンガーソングライターで、"選曲家"の松崎真人です。15日のOAでは、懐かしい「ノストラダムスの大予言」と言うワードが曲うけに出てきます。その曲とは…。(文中敬称略)

M10「LOVEマシーン/モーニング娘。」

松崎:1999年度の曲なんです。そう思って聴くと「なるほど」と思うわけです。「ノストラダムスの大予言」を信じていた人が恐らく人口の7%~8%くらいはいたんじゃないかなと。あと、半分くらいは心の片隅に「大予言」があった人もけっこういたと思います、マジに信じていない人もね。そう言う1999年に、この曲がとても売れたというのは何か少し、幕末の「ええじゃないか」的な感じがします。お祭り騒ぎをして、そんな不安を吹き飛ばそうよ、という気持ちがあったんじゃないかなと思ったりもします。つんく♂は、それくらいクレバーな方です。

松崎:次は、これ(「ノストラダムスの大予言」)からつなげて、「ホロスコープの予言もそのうち外れるでしょう」という歌詞が入った曲が竹内まりやの曲にあったなと思って遡ったら、こちらでした。1984年のアルバム「Variety」に入っています。

M11「ふたりはステディ/竹内まりや」

そして、M13では、日本の名AORシンガーと松崎が賞する伊東ゆかりのナンバーを紹介します。

松崎:1979年リリースで、とても良い曲があります。元々は洋楽で、カバー曲なんですが、日本語詞を書いているのは、なかにし礼です。

M13「あなたしか見えない.../伊東ゆかり」

松崎:これはむっちゃ良い曲で、大好きなんです。キンキンした高い声じゃ無くて、中音域の味のある女性シンガーが好きなんですが、伊東ゆかりはそこにバッチリ嵌まりまして。僕の中では、伊東ゆかり・竹内まりや同一人物説というのがあるくらいで、声の”おいしい成分”が似てるんです。

松崎:この曲は、元々「Don't Cry Out Loud」という曲で、いちばん最初に歌ったのはMelissa Manchester。その頃はまだメリサ・マンチェスターはそんなに著名な歌手じゃなかったので、その後、RITA COOLEDGEが歌って有名な曲になったんです。でも、むしろこの日本語歌詞の日本語バージョンの方がいいんじゃないかと僕は思うことがあるくらいです。日本語詞を書いたのは、なかにし礼です。

松崎:そしてこの曲は、私にも縁が深いCarole Bayer Sagerと言う女性のシンガーソングライターと、Peter Allenという男性シンガーソングライターの2人が作曲にかかわっているんですが、そのPeter Allenがかかわった曲をもう一曲。

M14「ニューヨーク・シティ・セレナーデ/クリストファー・クロス」

<編集後記>
「あなたしか見えない.../伊東ゆかり」 日本のAOR、隠れた名曲。作曲のピーター・アレン、キャロル・ベイヤー・セイガーともに専業作曲家ではなく、シンガーソングライターであるところがミソ。この歌の情感は、キーがあと2つ上がったらうまく伝わらないかも、と思う。伊東ゆかりの中音域はまさに日本歌謡界の宝。この系譜は竹内まりやに継承されている……と勝手に思っているのだが。発表から時を経てもまったく時代遅れ感のない見事な日本語詞は、なかにし礼。(松崎 真人)

時代が感じられるEP盤ジャケット

『MUSIC☆J』は、アナログレコードの音源も積極的に紹介しています。ほぼ毎日、1曲は必ずアナログ音源が掛かると言ってもいいかも知れません。

松崎:これは1981年リリースの曲です。きょうはアナログ・シングル・レコードで掛けようかと思います。(リスナーからのリクエスト紹介)「当時、この曲にビビッと来てレコードを買って、繰り返し聴いたのを思い出します」と言うことで、お掛けしましょう。そのレコード、そのものです。

M03「ニートな午後3時/松原みき」

松崎:いや~、やっぱりこれ、アナログの方がいいかも。最新のリマスター盤が出ればまた別ですけど、現状ではこれ、凄くいい音の45回転アナログシングル盤じゃないかなと思います。後に、松田聖子の曲で一斉を風靡する三浦徳子の作詞で、小田裕一郎、コチラも松田聖子の初期の作品に関わっていた方の作曲、アレンジが大村雅朗。なんか”先取りトリオ”みたいな感じですね。ちなみに「ニートな午後3時」(のニート)は、自分で稼がないという意味のニートとは違うということでして。詳しいことは英語に詳しい誰かに訊いて下さい…。

※編註:自分で稼がない意味のニートは造語「NEET=Not in Employment Education or Training」。この曲のニートは「Neat =きれい好きな、整った、素敵な、等の意味(スラング的にも使われる)」。「ニートな午後3時」でのニートは「ちょっとオシャレな」的なニュアンスで使われていると、当時のラジオや音楽雑誌では解説されていました。

M25「坂道の少女/沢田聖子」

松崎:アナログシングルレコードでお送りしました。デビューにあたって、イルカからプレゼントされた曲のうちの1曲です。アレンジは、かの有名な木田高介。かぐやひめの一連のヒット曲を手がけた方で、もしご存命だったら日本の大御所アレンジャーの一角を占めていらっしゃったんじゃないかなと、いつも僕が言っている方です。

2月15日(火)のプレイリスト 80年代濃いめの選曲・M01~M03は体が踊り出す!

M01「その気xxx/大澤誉志幸」
M02「こっちをお向きよソフィア/山下久美子」
M03「ニートな午後3時/松原みき」
M04「ケジメなさい/近藤真彦」
M05「Happy Ending/Joe Jackson featuring Elaine Caswell」
M06「なんとなくなんとなく(鹿児島弁)/ザ・スパイダース」
M07「愛を探して/ザ・カーナビーツ」
M08「風に吹かれて/ボブ・ディラン」
M09「防人の詩/さだまさし」

M10「LOVEマシーン/モーニング娘。」
M11「ふたりはステディ/竹内まりや」
M12「DONUT SONG/山下達郎」
M13「あなたしか見えない.../伊東ゆかり」
M14「ニューヨーク・シティ・セレナーデ/クリストファー・クロス」
M15「お前に惚れた/萩原健一」
M16「兄貴のブギ/萩原健一」
M17「青い影/プロコル・ハル厶」
M18「妖怪にご用心/中山千夏」
M19「おばけがイクゾー/吉幾三」

M20「春の予感/南沙織」
M21「きみの朝/岸田智史」
M22「あなただけI LOVE YOU/須藤薫」
M23「君が好き/あんべ光俊」
M24「遠野物語(feat.あんべ光俊)/佐藤竹善」
M25「坂道の少女/沢田聖子」
M26「YELLOW YELLOW HAPPY/ポケットビスケッツ」
M27「君を迎えに行く/Birthday Suit」
M28「ジプシー・クイーン/中森明菜」

STVラジオ『MUSIC☆J』(毎週 火~金 19:00~22:00) ★RCCラジオ同時ネット

MUSIC★J

放送局:STVラジオ 他1局ネット

放送日時:毎週火曜~金曜 19時00分~22時00分
※放送局によって日時が異なる場合があります。

出演者:松崎真人(まつざき・まこと):シンガーソングライター、選曲家。北海道札幌市出身。1984年ヤマハポピュラーソングコンテストで優秀賞を受賞し、85年「たわいないトワイライト」でデビュー。92年、佐木伸誘とユニット「Birthday Suit」結成。現在はソロでラジオパーソナリティやライブを中心に活動中。

番組ホームページ

★リクエストメール:mj@stv.jp
★twitterハッシュタグ:#musicj
70年代~90年代の日本のポップス・日本語のポップスを中心に"厳選かけ流し"でお届け。J-popの源流を築いた往年の名曲を毎日30曲前後も紹介するパワー・プログラム。いまの10代~20代にも聴いて欲しい、日本の音楽がわかる番組!
パーソナリティは、北海道出身のシンガーソングライター・松崎真人。音楽への深い造詣と知識に裏打ちされた含蓄あるトーク、選曲の幅広さでリスナーの支持を全国に広げている。
☆広島・RCCラジオでも同時生放送(~21:50)

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