本物そっくり「彫刻刺しゅう」 日用品や食べ物、立体的に 横浜でヤクミィさん作品展

おこげがおいしそうな釜飯の作品。しゃもじも刺しゅうによるもの=横浜ベイクォーター

 ナッツや焼き魚など、本物そっくりの質感と立体感が話題の刺しゅうアーティストyacmii(ヤクミィ)さんの作品展「でたらめなうた」が、横浜駅東口の商業施設「横浜ベイクォーター」で開かれている。作品はヤクミィさんが独自に開拓した「彫刻刺しゅう」という新しいジャンルで、「ぜひ虫眼鏡を持って、見に来てほしい」と呼び掛けている。3月31日まで。入場無料。

 ヤクミィさんは多摩美大大学院彫刻科を卒業後、静岡県浜松市を拠点に2010年から作品を発表している。最近は、本物と見まがうユニークな作品が、会員制交流サイト(SNS)で“かくれんぼ刺しゅう”として人気を呼んでいる。

 作品の根本には「日常と記憶」があり、日用品や食べ物、動物など身近なものがモチーフ。小石を模した作品は、本物の小石と交ざると、どれが作品なのか分からないほどリアルで、まさにかくれんぼ状態だ。

 「誰でも使えるもので、誰にもできないものを作りたい」と、一般的なフランス刺しゅうの糸を使用。さまざまな色合いの糸を何度も刺し、立体的に仕上げる。繊細な見た目からは分からないが、表面はがちがちに硬いという。

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