雪崩で住人1人行方不明、2人救助 糸魚川市島道鉱泉付近

能生事務所に災害現地本部設置

 糸魚川市能生地域の島道で23日、雪崩が発生し、同所の入浴施設「島道鉱泉」の住人1人が行方不明となっている。雪崩に巻き込まれた可能性があるとして市は24日午前8時30分、市能生事務所内に「島道雪崩災害現地本部」(本部長・高野一夫同事務所長)を設置し、糸魚川警察署、市消防と捜索活動、情報収集に当たった。同日午後5時現在、発見には至っていない。25日も引き続き捜索活動を行う。

行方不明者の捜索活動に向かう捜索隊(24日午後2時55分ごろ)

 行方不明となっているのは島道鉱泉の能登匡史さん(55)。現地本部によると、23日午後5時48分に同居家族から「家族と連絡が取れない」と市消防に情報が入り、同時刻に除雪業者からも島道鉱泉下の道路付近で雪崩が発生している可能性があると市能生事務所へ連絡があった。能登さんは同日午後3時30分ごろ、家族に帰宅する旨の電話をして以降、連絡が取れなくなっている。鉱泉までの帰路は道路沿いにある駐車スペースから徒歩で向かったとみられる。

 現場の捜索活動は23日午後6時に消防救助隊が開始した。二次災害の危険があるため同10時に終了し、24日午前8時から消防、警察、市職員計13人体制で再開。午後は消防団も加わって全24人体制に増員して続けた。

 雪崩によって道路が寸断され、鉱泉で孤立状態となっていた同居家族の80代男性と50代女性は、24日午後1時ごろに県防災ヘリで救助され、市内に避難した。

県防災ヘリが2人の救助作業に当たった(同午後0時35分ごろ)

 雪崩の発生後に新たな降雪があり、発生場所や規模は特定できていない。現地の積雪は3メートルを超えている。市道の朝日川橋から島道鉱泉までは通行止め。

 立ち入り禁止の規制線付近で様子を見守った島道の杉田喜代司区長(66)は、新年の総会に初めて出席した能登さんと対面、代替わりのあいさつを受けたという。「驚いている。無事でいてほしい」と話した。

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