「マイスモールランド」日本作品で初めてアムネスティ国際映画賞・特別表彰を授与された映画のテレビドラマ版が放送

NHK BS1では3月24日に、第72回ベルリン国際映画祭にて日本作品で初めてアムネスティ国際映画賞・特別表彰を受賞した映画「マイスモールランド」のテレビドラマ版となる、国際共同制作ドラマ「マイスモールランド」(午後8:00)を放送する。

“国を持たない世界最大の民族”クルド人。トルコからシリア、イラク、イランにかけて国境を越えて広く暮らすこの民族は、差別や迫害などにより故郷を追われている。クルド人は日本に2000人以上、その多くが埼玉県に住み生活をしているが、難民として認められず、いつ強制退去を命じられるか分からない不安な毎日を送っている。

本作では、日本で育ったクルド人の女子高校生の姿を通して、自分が何人であるのか?というアイデンティティーへの思いと、日本で暮らし続けることの困難や葛藤を浮き彫りにしていく。クルド人の家族と共に生まれた場所を離れ、幼い頃から日本で育った女子高生・サーリャを嵐莉菜、サーリャとアルバイト先で出会う聡太を奥平大兼が演じる。ほか、平泉成、藤井隆、池脇千鶴、アラシ・カーフィザデー、リリ・カーフィザデー、韓英恵、サヘル・ローズが共演する。

嵐は「在留資格を失ってから、不自由な生活を強いられ、家族のためになんとか頑張るサーリャに、私自身もとても胸を打たれました。生活する中でさまざまな難題がサーリャに降りかかりますが、バイト先で出会う聡太はサーリャにとって大切な存在になります。聡太と出会ってからのサーリャの成長にも注目して見ていただけるとうれしいです」とアピール。

奥平は「僕はこの作品を通して、初めて日本に住んでいるクルドの方々について知ることができました。このようなことが日本で起きているということ、そしてその人たちが感じていることも知ることができました。これらのことを知ることだけでも、『マイスモールランド』を見る意義があると僕は思います」と語る。

作・演出の川和田恵真監督は「ドラマ版としてNHKで放送していただくことは、より多くの方に、身近な環境へ届けられる大変意味のある機会をいただいたと思います。そして、テレビ画面を通して見ていただく皆さんの個人の生活の中に、この映画の登場人物たちが生きる。そのことに、純粋な喜びを覚えています。テレビ放送では、劇場で見るのと違って途中で簡単に止めることもできます。それでも、ラストまでご覧いただきたいと思って私はこの作品を作りました。ある1人の少女の物語から目を背けないでほしい、と思います」と願っている。

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