DeNA開幕ローテ争いが激化 今永開幕絶望も新人コンビら候補、三浦監督は9日確定へ

広島とのオープン戦に登板したDeNA・浜口遥大【写真:宮脇広久】

浜口と上茶谷がオープン戦で結果、先発転向の石田や京山も存在感

■DeNA 7ー2 広島(オープン戦・3日・横浜)

昨年セ・リーグ最下位に沈んだものの、今年は練習試合、オープン戦を通じて絶好調のDeNA。特に先発投手陣の充実ぶりには、目を見張るものがある。昨年のチーム防御率はリーグワーストの4.15で、さらに沖縄・宜野湾キャンプ中の2月中旬には、エースの今永昇太投手が左前腕部に軽い炎症を起こし離脱。それでも開幕ローテ候補が相次いで結果を出し、激しい争いとなっている。

3日に本拠地・横浜スタジアムで行われた広島とのオープン戦では7-2と快勝。今年は練習試合・オープン戦を通じ、6勝1敗1分となった。先発の浜口遥大投手は4イニングで4四球を与える一方、4三振を奪って無失点。2番手の上茶谷大河投手も、最初の5回こそ育成選手の持丸に2ランを浴びたものの、後続を断って4回2安打2失点にまとめた。三浦大輔監督は「2人とも、やろうとしていることはわかる。去年よりはかなり良くなっている」と目を細めた。

浜口は昨年、自身初の開幕投手を務めたが、結局17試合5勝7敗、防御率3.94と期待に応えられなかった。この日はストレート、チェンジアップに本来の切れが戻り、2回には先頭の二俣、続く中村健に連続四球を与えるも、宇草、石原を連続三振に仕留め、三振ゲッツーもあって得点を許さなかった。「(連続四球の場面で)2人に計10球投げて、ストライクが2球しかなかったところなどは課題だが、もともとボール球が多いのは本人の持ち味でもある。0点で抑えたのは良かった」と苦笑する三浦監督の表情は明るかった。

上茶谷も昨年、開幕ローテ入りを果たしたものの、4月24日の阪神戦で1回6失点KOを食らうなど精彩を欠き、早々と“失格”の烙印を押された。8試合1勝3敗、防御率7.15。4年目を迎えた今年は一変し、「ストレートの威力は去年とは比べ物にならない」と指揮官を喜ばせている。

徳山と三浦銀の新人コンビの先発も「あるかもしれない」

前日2日には、昨年4勝6敗の3年目左腕・坂本裕哉投手が5回2安打無失点の快投を演じ、成長のあとを見せている。2年連続チーム勝ち頭の大貫晋一投手、左肘のトミー・ジョン手術から昨季終盤に復活した東克樹投手、来日1年目の昨年に5勝3敗、防御率3.01をマークしたフェルナンド・ロメロ投手、先発転向を狙う石田健大投手も順調な仕上がり。1月中旬に新型コロナウイルスに感染して出遅れた京山将弥投手も、1日のプロ・アマ交流戦で早大を3回無安打無失点に抑え存在をアピールした。

さらに、これまで専らリリーフで起用されているドラフト2位の徳山壮磨投手、同4位の三浦銀二投手についても、三浦監督は「いろいろ試している段階で、(起用法は)決めていない。(先発も)あるかもしれない」と含みを持たせている。開幕ローテを巡る争いは“定員”の6人を大幅にオーバーし、日々激しさを増している状況だ。

「(開幕ローテは)ホームゲームが終わる頃には固めたい」と三浦監督は言う。DeNAは今後、本拠地・横浜スタジアムで5、6日にオリックス、8、9日に西武と対戦。それが終われば、静岡、神宮、札幌ドームでビジターゲーム8試合を行い、25日の公式戦開幕を迎えるスケジュールである。三浦監督は本拠地でのオープン戦が終了する9日をめどに、開幕ローテを固めるハラなのだ。

開幕投手の指名は本番直前まで引っ張り、競争心をあおるつもりのようだ。そして、開幕には間に合わない今永も、それほど長い調整期間は要しない見込み。故障や不振からの復帰組、成長組、新人など背景は様々だが、いずれにせよ昨季どん底を味わったDeNAには、上がり目しかない。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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