除雪車で買い物支援 中ノ俣でNPOと連携 田中産業

 上越市の市街地から遠く、高齢化が進む同市中ノ俣地区の住民の買い物支援に、同地区の除雪を行う田中産業(本社・同市土橋)が乗り出した。買い物代行業務を担うNPO法人と連携。同法人で注文を取りまとめて発注し、スーパーで引き取った食材や生活雑貨を、除雪出動時に除雪車を用いて無償で届ける仕組みだ。

 高田市街地と中ノ俣を結ぶ県道の除雪を手掛ける同社が、「大雪で買い物に困っている住民の役に立てることはないか」と町内会に打診。NPO法人かみえちご山里ファン倶楽部が数年前から週1回の買い物代行を行っていたが、冬期間の配送に苦労していると知り、除雪車での配送を申し出た。

 配送に向け、県を含む関係機関と打ち合わせを重ねて理解を得た。また、除雪車に荷台を特注で取り付け、商品を運べるようにするなど準備を進めてきた。

 初の配送は2月17日の早朝除雪時。食材や生活物資を除雪車2台に載せて出発。県道や集落内の除雪を済ませた後、各家庭へ配送する同法人のスタッフに託した。

 中ノ俣町内会長で同法人の理事長を務める石川正一さんは、「除雪車は確実に来てくれる。市街地まで買い物に行けない住民もいる中、ありがたいことで、うれしく思う」と話す。

食材や生活物資の入った箱を石川町内会長(右)に手渡す田中産業の社員ら(2月17日、田中産業提供)

 田中産業の田中康生社長は「皆さんが苦労する大雪の時こそ、除雪車が出動する機会。中ノ俣で頑張っているNPOの皆さんと共に、住民の皆さんの生活を守る手助けができればいい」と話した。

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