令和3年度地盤沈下調査 全域で前年度上回る 上越市子安3・2センチ 最大沈下量を記録  記録的大雪影響

 県は3日、令和3年度(同年9月1日までの1年間)地盤沈下調査の結果を公表した。それによると、上越地域を含む全地域(隔年調査で休止の長岡は除き、前年度休止だった柏崎は2年分)で、前年度の沈下量を上回った。昨冬の記録的大雪が影響したとみられる。

 調査は国と県、関係市でつくる県地盤沈下調査連絡協議会が新潟・新発田、上越、長岡、南魚沼、柏崎(長岡と柏崎は隔年調査)の5地域で行っている。

 上越地域では、上越市子安で3・2センチの最大沈下量を記録。前年度の0・2センチ(大潟区渋柿五ケ割)を上回った。期間中(令和2年12月から同3年3月)の観測井地下水位(日平均値)最大低下量では、高田G2観測井(同市栄町)が12・70メートル、高田城址公園(同市本城町)が12・03メートルと、過去5年で最も低下。また、累計降雪量も648センチと、過去5年で最多だった。地盤沈下注意報は6年ぶりに12月中に発令。翌年1月に警報へ移行したが、同3月になっても解除されなかった。

上越市は過去5年で最も沈下が進行。昨冬の記録的大雪が影響したとみられ、今年も地盤沈下警報が発令中(昨年11月、同市内で撮影)

◇3月4日現在警報発令中 上越市高田

 今冬は昨冬の記録的大雪ではないものの、山沿いを中心に大雪となり、上越市の6区と妙高市全域に県災害救助条例が適用された。上越市高田では、昨年12月31日に地盤沈下注意報、今年1月20日に地盤沈下警報が発令された。3月4日現在も解除には至っておらず、県や市が引き続き節水など注意喚起を行っている。

 県の地下水等リアルタイムシステム(高田G2観測井)によると、昨年12月17日ごろから地下水位が低下し、地層収縮量が増加。今年3月4日時点で(昨年12月1日を基準に)、地下水位はマイナス8・53メートル、地層収縮量は40・82ミリとなっている。

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