16時間以上の労使交渉も合意には至らず 明日も引き続き交渉予定

「ジ・アスレチック」のエバン・ドレリッチ記者によると、メジャーリーグ選手会は対案を提示する前にメジャーリーグ機構側と話し合うことを要求したようだ。これをもって日本時間3月9日の労使交渉は終了。16時間以上に及ぶ交渉が行われたものの、合意には至らなかった。なお、明日も引き続き交渉が行われる予定のため、メジャーリーグ機構は現時点ではレギュラーシーズンのさらなる試合中止を発表していない。2月末と同様にデッドラインが1日延ばされる形となった。

今回の労使交渉ではぜいたく税の上限ラインがメインテーマの1つだったが、この点については機構側が一定の譲歩を見せたことが報じられている。機構側が提案したのは今季2億3000万ドルからスタートし、5年目の2026年には2億4200万ドルまで引き上げるというもの。選手会の希望額(今季2億3800万ドル、2026年は2億6300万ドル)には届いていないものの、希望額の差は縮まった。また、メジャー最低保証年俸についても、機構側が今季70万ドル、5年目の2026年には77万ドルという案を提示し、選手会の希望額にかなり近いものとなっている。

一方、新設される調停前ボーナスプールについては、機構側が毎年4000万ドルを提案。選手会は今季8000万ドルからスタートし、毎年500万ドルずつ増額することを希望しているが、スタート地点を7000万ドルまで引き下げる可能性があることが報じられている。とはいえ、依然として希望額の開きは大きい。

新たな争点となっているのは、機構側が提案している国際ドラフトだ。機構側はクオリファイング・オファー制度を撤廃するのと引き換えに国際ドラフトを導入することを提案しているが、国際FAの選手たちがプロ入り時に希望の球団を選べなくなるため、選手会は難色を示しているという。「スポーツネット」のベン・ニコルソン・スミス記者は、ぜいたく税や最低保証年俸などの金額面で歩み寄りが進んでいる一方、国際ドラフトが最大の障害となっていることを報じている。

機構側は選手会に対して現地時間3月8日(日本時間3月9日)までに労使交渉が合意すれば、レギュラーシーズンを162試合開催し、フルシーズン分のサラリーとサービスタイムが保証されることを通告していたが、そのデッドラインは1日延期された。レギュラーシーズン162試合開催か、あるいは追加で1週間キャンセルか。すべては明日の交渉にかかっている。

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