在来ヤマメ保護議論 串間で九州渓流魚シンポ

 「九州渓流魚シンポジウム2022in串間」(ふるさとの水辺環境を守る会など主催)は5日、串間市総合保健福祉センターであった。渓流魚の研究者らが同市内を流れる福島川に生息する在来ヤマメの保護、環境保全について議論を交わした=写真。
 事例報告では、宮崎大農学部の岩槻幸雄教授が「日本最南限の在来ヤマメの発見と生息実態」と題して登壇。福島川上流部のヤマメは日本最南限の個体群であることを紹介した。ただ、採捕調査を実施したところ他の河川と比べて生息数が極めて少なく、「漁協や地元住民などと連携しながらの保全が必要」と訴えた。
 その後、岩槻教授がコーディネーターを務め、専門家らとパネルディスカッションを実施。パネリストからは福島川上流部に禁漁区間を設け、釣り人にキャッチアンドリリースを求めることなどが提案された。
 串間市淡水漁業協同組合の瀬口俊郎組合長は「一般釣り客の釣り場を確保しながら、貴重な在来ヤマメを大切に保護していきたい」と話していた。

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