島で所有者不明の放置船を撤去 大分

 

所有者が分からず、不法に放置されている「放置艇」。災害時に危険なことなどから、県内各地で問題となっています。

 近くの住民「(放置艇あると)汚いじゃないですかゴミは溜まるし」

 海沿いに引き上げられている、古いボート。塗装が剥げ、腐った木材などが積み上がっています。放置艇とは、漁港や川に許可や届け出などの正式な手続きをせずに係留されている船のことです。景観の悪化や、災害時に二次被害を及ぼす恐れがあり、問題となっています。

 田中記者「県による放置艇の撤去が始まりました。重さ500キロほどの船がゆっくりと運ばれていきます」

 県が、2019年から撤去を続けていて、14日は津久見市の保戸島で1時間かけて12隻を移動させました。

 近くの住民「(道が)広くなって良かったですありがとうございました」

 県によりますと、2018年の調査では、県内全域で約5700隻が確認されました。放置艇により懸念されているのが、津波による二次被害です。

 近くの住民「津波が一番怖い(波が)裏から来て向こうに帰ってこっちに帰ってくるみたいな感じになるので二次被害とかなければいいなと思っている」

 県漁港漁村整備課・森﨑祐羽主事「南海トラフ大地震の発生が今後想定されているので、船があることによって住宅の二次被害が想定されるのでそれを軽減するといった意味が1つあります」

 撤去作業や許可を取った船が増えたことで、放置艇は今年2月時点で約1000隻まで減ったということです。県は2022年度までに県内全域の放置艇をゼロにすることを目指しています。

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