延長戦の「ゴーストランナー」継続か MLB機構と選手会が議論中

「ジ・アスレチック」のジェイソン・スターク記者らによると、廃止されることが決まった無死二塁からの延長戦が復活する可能性があるようだ。二塁に「ゴーストランナー」を置いた状態で延長戦をスタートするやり方はコロナ禍で開催された2020年と2021年に採用され、延長戦の早期決着に大きな効果をもたらした。ファンからは否定的な声も上がっているが、ロブ・マンフレッド・コミッショナーはこのルールを支持しており、選手からも賛成の声が多いため、復活に向けて話し合いが行われているという。

スターク記者らによると、もし無死二塁からの延長戦が復活することが決まったとしても、延長戦の最初のイニング、つまり10回の攻防からこのルールが適用されるとは限らないという。「ゴーストランナー」を11回から使う、あるいは12回から使うといったやり方も検討されているようだ。

また、選手からは「ゴーストランナー」の記録上の扱いについて懸念の声が上がっているという。過去2年は「ゴーストランナー」に生還を許した場合、投手には自責点は記録されず、「自責点ではない失点」だけが記録されたが、投手たちは自分が出したわけではない走者が「失点」としてカウントされることを快く思っていないようだ。とはいえ、失点と別の扱いにするには新たな項目を設ける必要があり、スターク記者らは「その不満は記録上で簡単に解決できるものではない」と記している。

コロナ前の最後のフルシーズンである2019年には12イニング以上の試合が60試合あったのに対し、昨季はわずか16試合のみ。15イニング以上の試合に限ると、2019年の15試合に対し、昨季は1試合しかなかった。あるベテラン投手は「伝統も大切だが、このルールは上手く機能していたと思う。試合はより早く、エキサイティングな形で終わる。18イニングの試合で選手が負傷したり、チーム全体が疲労したりすることもない」と語る。選手たちが支持している以上、無死二塁からの延長戦が復活する可能性は高そうだ。

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