「実情分かってない」特別自治市の神奈川県見解に3政令市長、改めて協議求める

特別自治市構想を巡る県の見解についてオンラインで意見交換する3政令市長=川崎市役所

 二重行政の解消を目指す特別自治市構想について、神奈川県が見解を示したことを受け、横浜と川崎、相模原の3政令市長が17日、オンラインによる会議を行い、意見交換した。「基礎自治体の実情が分かっていない」と不快感を示す声も上がり、改めて黒岩祐治知事に対して首長同士の協議を求めていくことを確認した。

 同構想を巡っては、3政令市長が黒岩知事に首長同士の協議を求めている。黒岩知事も応じる意向を示しているが、16日に「法制度化は妥当ではない」とする見解を公表した。

 報道陣に公開された会議の冒頭、3政令市長がそれぞれ意見を表明。川崎市の福田紀彦市長は「現場感覚からずれまくっている」と指摘。相模原市の本村賢太郎市長は「協議する前に県が一方的な見解を示したのは残念」とし、横浜市の山中竹春市長は「人口減少時代に合った制度について、前向きに議論すべきだ」と述べた。

 特別自治市構想は、道府県から政令市が独立し、権限や財源の移譲を目指すもの。一方で県は、財源不足による県の行政サービスの低下などを課題に挙げている。

 会議終了後、3政令市長は連名でコメントを出し、「県の見解は到底容認できるものではない。前向きで率直な議論をしていただくよう、知事に対し、協議を求めていく」とした。

© 株式会社神奈川新聞社