秦野市立中学校で昨年12月に始まった全員喫食の完全給食を、在学中はかなわなかった卒業生らに味わってもらう企画が17日、同市曽屋の市学校給食センターであった。小学校以来の給食に舌鼓を打った“はだのっ子”たちは「小学生の頃を思い出す」「おいしくて(後輩が)うらやましい」と声を弾ませていた。
同センターを訪れたのは、市内在住・在学の高校生でつくる団体「E4」のメンバーら5人。E4が昨夏に開催した高校生議会で、高橋昌和市長に給食の試食会開催を要望していた。
配膳台に並んだ生徒は、ご飯や汁物、おかずの「ねぎ塩ぶた炒め」などが入った食缶を見ると「懐かしい」と声を上げた。給食当番役の市職員から「量は?」と問われ「普通で大丈夫です」と答える給食ならではのやりとりもあった。
市は地産地消の観点から食材の30%を地場産とすることを目標としている。6年ぶりに給食を楽しんだ市立西中出身の鈴木さくらさん(18)は「おいしくて、給食が楽しみだった小学生の頃に戻ったよう。毎日食べられる今の中学生がうらやましい」。市立鶴巻中出身の山口紗妃さん(18)は「秦野産食材がたくさん入っていることは、給食を通して地元を感じることができていい」と話した。