フリーマン加入のドジャース MVP経験者が4人在籍は史上5度目

ドジャースはブレーブスの看板選手として活躍してきたフレディ・フリーマンと6年1億6200万ドルの大型契約を結ぶことで合意したことが報じられている。フリーマンは短縮シーズンとなった2020年にナ・リーグMVPを受賞しており、2014年ナ・リーグMVPのクレイトン・カーショウ、2018年ア・リーグMVPのムーキー・ベッツ、2019年ナ・リーグMVPのコディ・ベリンジャーと合わせて4人のMVP経験者が同じチームに在籍することになる。メジャーリーグ公式サイトによると、これはメジャー史上5度目のことだという。

ドジャースは昨季もMVP経験者が4人在籍していた。カーショウ、ベッツ、ベリンジャーは今季と同じ顔ぶれだが、昨季は5月にエンゼルスを解雇されたアルバート・プホルスが加入。プホルスはカージナルス時代にMVPを3度(2005年、2008年、2009年)受賞している。カーショウが投手のため、この4人が同じ試合に出場したケースは5度しかなかったが、ドジャースはその5試合で4勝1敗。なお、ドジャースはワイルドカード・ゲームと地区シリーズを勝ち抜いたものの、リーグ優勝決定シリーズで昨季王者のブレーブスに敗れた。

1996年のレッドソックスには、1986年ア・リーグMVPのロジャー・クレメンス、1988年ア・リーグMVPのホゼ・カンセコ、1989年ナ・リーグMVPのケビン・ミッチェル、そして1995年にア・リーグMVPを受賞したばかりだったモー・ボーンが在籍。しかし、ミッチェルが27試合に出場しただけで故障し、7月末にはレッズへ放出されたため、4人が同じ試合に出場したケースは5度しかなかった(5戦全敗)。この年のレッドソックスは85勝77敗で地区3位に終わった。

1982年のエンゼルスには、1973年ア・リーグMVPのレジー・ジャクソン、1975年ア・リーグMVPのフレッド・リン、1977年ア・リーグMVPのロッド・カルー、1979年ア・リーグMVPのドン・ベイラーが在籍。同じ試合に出場したケースは111度あり、60勝51敗だった。この年のエンゼルスは地区優勝して球団史上2度目のポストシーズン進出を成し遂げたが、リーグ優勝決定シリーズで敗退。ベイラーがシーズン終了後にFAとなり、MVPカルテット解散となった。

メジャー史上初めて4人のMVP経験者が顔を揃えたのは、1978年のレッズだった。前年にジョージ・フォスターがナ・リーグMVPを受賞し、ジョニー・ベンチ(1970年と1972年にナ・リーグMVP)、ピート・ローズ(1973年ナ・リーグMVP)、ジョー・モーガン(1975年と1976年にナ・リーグMVP)とのMVPカルテットが完成。4人が同じ試合に出場したケースは99度あり、52勝47敗だった。シーズントータルでは92勝69敗を記録したが、惜しくも首位から2.5ゲーム差の地区2位。シーズン終了後にローズがFAとなり、メジャー史上初のMVPカルテットは1年限りで解散した。

サンプル数が少ないとはいえ、MVPカルテットを擁した過去の4チームは、いずれもワールドシリーズ制覇を成し遂げていない。今季のドジャースのMVPカルテットは、チームを2年ぶりのワールドシリーズ制覇へ導くことができるだろうか。

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