五輪見据え外国からの誘客へ 県とHISが協定

 2019年ラグビーワールドカップや東京五輪・パラリンピックを見据え、県と旅行大手、エイチ・アイ・エス(HIS)は29日、訪日外国人客の観光推進に関する協定を結んだ。64カ国に及ぶHISの海外拠点で把握している現地ニーズや、バスツアー参加者を対象にした調査結果を県に提供。県は施策や観光資源の発掘、磨き上げに生かし、誘客につなげる。

 HISは海外店舗で県のパンフレットも配布。県内観光地の映像などの情報も集約し、プロモーション素材として同業他社も活用できるよう、オープンデータ化を進める。

 観光協会などとも連携し地元ならではの体験型ツアーなどの開発に取り組む。県は半年〜1年、同社の国内、海外拠点の社員をそれぞれ1人ずつ研修員として受け入れる。

 同日の締結式で、平林朗HIS社長は「県内には横浜、箱根、鎌倉以外にも有望なコンテンツがある。個人旅行時代に向かって、今まで知られていない観光地の誘客の手伝いをしたい」と話した。黒岩祐治知事は「神奈川から観光事業者と連携したインバウンド観光推進の新たなモデルを発信したい」と話していた。

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