「大事なのは県民目線の議論」 特別自治市構想巡り神奈川・黒岩知事  「分かってない県民多いのでは」 

黒岩祐治知事(資料写真)

 政令市が道府県から独立して権限や財源の移譲を目指す「特別自治市」構想に関し、神奈川県の黒岩祐治知事は22日の定例会見で「大事なのは県民、市民目線の議論。特別自治市とはどういうものか、分かっていない県民も多いのではないか」と述べた。

 同構想を巡っては、横浜、川崎、相模原の3政令市長が2月、「持続可能な行政運営に向けた役割分担」をテーマに、地方自治法に基づく知事との「調整会議」を要請。県側は個別、具体の権限移譲に関する協議をするのが調整会議だとして、応じなかった。これに3市長が「理解しがたい」と反発。県が同構想に関し公表した「法制化は住民目線から見て妥当でない」との見解に対しても、「現場の感覚からずれている」(福田紀彦川崎市長)などと批判を強めた。

 知事は会見で「調整会議にとらわれない形で、トップ同士の協議にはしっかり対応する」とし、「(3市長の批判の背景に)どういう事情があるのか、直接会って話を聞きたい」と述べた。

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