“自主ロックアウト”のベテラン捕手・ボート アスレチックス復帰へ

メジャーリーグ公式サイトが関係者から得た情報によると、アスレチックスはブレーブスからFAとなっていた37歳のベテラン捕手スティーブン・ボートとメジャー契約を結ぶことで合意に至ったようだ。ボートはメジャー2年目の2013年から2017年途中までアスレチックスでプレーしており、5年ぶりの古巣復帰。クリス・バシット(メッツ)、マット・オルソン(ブレーブス)、マット・チャップマン(ブルージェイズ)を放出したアスレチックスにおいて、人格者として知られるボートはチームリーダー的役割を担うことになりそうだ。

ボートは昨季ダイヤモンドバックスとブレーブスで合計78試合に出場し、打率.195、7本塁打、25打点、OPS.616を記録。2018年を故障で全休したあと、2019年はジャイアンツで99試合に出場して打率.263、10本塁打、40打点、OPS.804と復活の兆しを見せたが、その後の2年間はいずれも打率1割台と低調なパフォーマンスに終わっている。アスレチックス時代は正捕手として活躍し、2015年から2年連続でオールスター・ゲーム選出。2017年6月にウエーバーでブリュワーズへ移籍したが、そのとき以来のアスレチックス復帰となる。

AP通信は先日、ボートがロックアウト期間中に選手会への忠誠心を示すため、自主的にロックアウトしていたことを報じた。ボートは昨年10月にブレーブスを戦力外となり、マイナーFAという立場で市場に出たため、ロックアウト期間もマイナー契約を結ぶことが可能であり、実際に6球団前後が興味を示していたという。ところが、「私は選手会に感謝しているし、選手会の一員でいられることを嬉しく思っている」と語り、オーナー側と交渉を続ける選手会とともに戦う姿勢を示すために、ロックアウト期間中はFAで居続けることを選択した。

ロックアウトが解除されれば、大量のFA選手が市場に溢れるため、ボート自身は契約を得られない可能性もあった。それでも選手会を支持し、自主的にロックアウトすることを選んだのは、人格者として知られるボートらしいエピソードと言える。そして、メジャー契約で古巣アスレチックスに戻ることに。若手の多いアスレチックスにとって、ボートのリーダーシップや経験は貴重な財産となるに違いない。

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