あぐりいといがわ汐路ぶどう園 雪害と鳥獣害2~3年休園 改善と対策へ 糸魚川市

 糸魚川市大平寺のあぐりいといがわ汐路ぶどう園は今シーズンの営業を見合わせ、一時休園とすることを決めた。休園期間は向こう2、3年を予定している。

 同園を運営する糸魚川農業興舎(同市寺町1)によると、休園の理由は、雪害と鳥獣害に対する抜本的改善と新たな対策を図るため。昭和50年に開園して以来、度々の被害を受けてきた。これまでも未然に防ぎ、減らすためのさまざまな手立てを講じてきたが、毎年ブドウの栽培に大きな支障を来している。

 昨年は1月の大雪で園内のブドウ棚が完全に落ちる被害を受け、約5ヘクタールの広さ全体の半分程度を応急的に復旧。品種も半分に減らした。スタッフが手塩にかけて育て、8月からの営業に向けてようやく実り始めたものの、カラスに荒らされ、昨シーズンは実質10日間のみの営業となった。

 今後は新たな品種の栽培や作業効率の高まる農地整備、革新的な農法にチャレンジする計画。青木仁園長は「1人でも多くのお客さまにおいしいブドウを届けたい。スタッフの頑張りが報われ、豊かな実りに少しでもつなげたい」とし、再開に向けて準備を進める。一昨年から見合わせていたぶどう狩りを含めて観光農園としての在り方も検討する。

丘陵地に広がるブドウ棚を撤去し、新たな整備と栽培に取り組むあぐりいといがわ汐路ぶどう園(28日)

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