タイラさん(佐世保出身)本格デビューへ ソニーのオーディション「ワンビリ」合格 「ZILLION」メンバーに

タイラさん(ソニー・ミュージックレーベルズ提供)

 若手エンターテインメントグループを結成するためのオーディション「ONE  in a Billion(通称・ワンビリ)」(ソニーミュージック主催)で、佐世保市出身のタイラさん(17)が見事合格を果たした。合格者9人による男女混成グループ「ZILLION(ジリオン)」のメンバーとして、本格デビューに向けレッスンに励んでいる。
 同オーディションは2019年から開催。タイラさんは20年8月に始まったオーディションの第2シーズンに応募。5千人強の中から歌やダンスのレッスンを受ける23人に選ばれ、さらに絞り込まれた12人の中にも残った。
 昨年12月、12人が2グループに分かれて課題曲のパフォーマンスを競うファイナル審査に臨み、キレのあるダンスと力強い歌声を披露し高く評価された。
 ZILLIONは、ファイナル審査の課題曲「Timeless」で同月プレデビュー。アップテンポなリズムに乗せて、大切な人への思いを歌うダンサブルなナンバー。音楽配信サービス「アップルミュージック」などで配信され、ミュージックビデオ(MV)が動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開されている。「ラジオ番組出演やMV撮影など、初めての経験をたくさんさせてもらい、毎日が楽しく充実している」とタイラさん。
 新型コロナウイルス禍の影響で芸能活動が制限される中、ZILLIONは2月8日、同オーディションで審査委員長を務めたボーカリスト清水翔太のコンサートに、オープニングアクトとして出演。約千人の観客を前に初のライブパフォーマンスを披露し、大きな拍手を受けた。タイラさんは「緊張したが、ステージでパフォーマンスする楽しさと感動を味わった。次の機会にはもっとクオリティー高いものを届けたい」と感想、ライブやCDリリースなど本格デビューへ向け意欲を燃やしている。

「ZILLION」のメンバー(ソニー・ミュージックレーベルズ提供)

   
 タイラさんは、佐世保市のダンススクール兼芸能事務所「スターライトプロダクション」(松瀬悦子社長)の出身。松瀬さん(64)は祖母に当たり、ダンスが身近にある環境で生まれ育った。3歳から同スクールに入り、高校時代はほぼ毎日、ヒップホップ、ワックなど4ジャンルのダンスのレッスンを受けていた。
 そんな時、ユーチューブで同オーディションの募集を知り、自ら応募した。「高校入学後、友人関係などがうまくいかなかった。アーティストになる夢をかなえることで自分の居場所をつくりたかった」
 約1年にわたるオーディションを振り返り、「コロナ禍でファイナル審査前のレッスンが2カ月ほどオンラインになった期間は、モチベーションを保つのが難しかった。それでも、同じ夢を持つ仲間ができて刺激し合えたことで、人間的に成長できたと思う」と語る。
 タイラさんは現在、都内に住み、学校に通いながらレッスンを受け、歌やダンスに磨きをかけている。そんな孫娘に松瀬さんは「コロナ禍の中だからこそ、人を元気づけ感動させられるアーティストになってほしい」とエールを送る。


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