東京から姫島へ本社移転 そのワケは? 大分

 

東京にある本社を県内へ移転したという企業があります。なんとその移転先は「姫島村」。なぜわざわざ姫島村に?一体どんな企業なんでしょうか。本社を移転したのは創業10年目、ソフトウェアの開発などを行う企業、Ruby開発です。29日、広瀬知事や姫島村の藤本昭夫村長に移転を報告しました。

 Ruby開発・芦田秀之社長「サテライトではなく姫島の会社です、姫島が本社ですと推し進めていかないと姫島村の人もそれ以外の人にも伝わらないだろうと」

 東京から姫島村へ本社を移すという常識で考えられない決断。一体どんな企業なのか?本社にお邪魔するべく取材班は姫島村に上陸しました。元々4年前に設置していた姫島支店が2022年2月、本社へとリニューアルされました。当時、姫島村への進出を決めた背景には創業時の芦田社長の思いがあります。

 芦田社長「もともと地方のエンジニアの核を救うために作った会社だったので、それが離島であってもビジネスで完結できる自信があったので」

 姫島村では2018年からIT人材の育成などを行う「ITアイランド構想」を進めています。離島で雇用の創出をさらに加速させる手助けになればと本社の移転を決めました。

 芦田社長「ちょうどいい大きさなんですよね、姫島って。これをもっともっと加速させたい、中心となって進めていきたいという思いで」

 姫島村への本社移転には並々ならぬ思いがある芦田社長。その決意が会社のイスに表れています。なんと本社移転に合わせ、本社にしかない社員用の一脚5万円のイスを約20脚購入。総額は100万円です。そんな本社では7人が働いていて、このうち3人は姫島村出身など村にゆかりのある人です。

 芦田社長「朝の早朝散歩、これにはまりまして。5キロくらい40分とか、日によっては朝90分くらい、海岸沿いを大きく島半周分くらいウォーキングすることもある」

 姫島村での生活にはまった社長も2022年1月に古民家を購入し、出張で訪れた社員やその家族を招待することで姫島村での生活を提供しています。

 芦田社長「ITをぜひ志望していただければ、高校、大学どこへ行ってもいつでも姫島に戻ってこれると、それが一番の希望。ITアイランド姫島を島にいる若い人たちと一緒に進めていきたい」

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