SDGsを身近に 川崎・麻生区の子どもたちがマップ作製 企業や店舗50カ所表示 プラおもちゃ回収店など紹介

SDGsの取り組みを紹介するマップを作製した子どもたち=川崎市役所

 川崎市麻生区の子どもたちが、SDGs(国連の持続可能な開発目標)の取り組みを紹介するマップを作製した。地元の企業や店舗など約50カ所を表示し、QRコードを読み取れば活動内容が分かる。環境のために、もっとできることがある─。そんな児童の思いが結実した。

 「麻生区サステナブルマップ」と称し、SDGsに取り組む区内の企業や店舗、公共施設などを、開発目標を示す17のアイコンとともに表示。それぞれQRコードを読み取れば、各施設のホームページを閲覧でき、取り組みの内容を知ることができる。

 作業を始めたのは昨年7月。環境問題に関心があった市立柿生小学校6年の今井結菜さん(12)が、父・雄也さん(44)に相談しながらマップ作りに挑戦したことがきっかけだった。

 雄也さんはサポートするため、地域でSDGsに取り組む市民団体を設立。団体の取り組みとしてマップ作りが同区の市民提案型事業に採択され、区内の小中学校の子どもたち約20人が集まって結成した「麻生区SDGs推進隊」が主体となって取り組んだ。

 日常生活で知り得た情報や、訪問して聞き取りした内容などを踏まえて施設を選定した子どもたち。下調べをしなくてもプラスチックのおもちゃを回収する店舗や、環境教育に力を注ぐ幼稚園など、身近な場所でさまざまな取り組みを把握していたという。雄也さんは「大人の想像以上に関心は高い。子どもたちが発信するメッセージに耳を傾ける必要がある」と実感を込める。

 結菜さんは、日頃からペットボトルを使わずに水筒を持ち歩くなど実践している。父親の後押しもあり、地域を舞台に活動したいとの思いが強くなったという。「人間が引き起こした環境問題は、人間が解決しないといけない」と問題意識を強くする結菜さんは、「地図を見て、もっと多くの人に関心を持ってもらえたらうれしい」と話す。

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