明治安田J2第7節(30日・正田醤油スタジアム群馬ほか=11試合)V・ファーレン長崎は群馬に3-2で競り勝ち、3試合ぶりの白星を挙げた。通算2勝1分け4敗(勝ち点7)で、前節の20位から17位タイに浮上した。
V長崎は前半4分に先制。高い位置でインターセプトし、クリスティアーノの低いクロスを都倉がフリーで合わせた。19分には自陣深くからのカウンターを発動し、ゴール右からクリスティアーノが豪快に決めて2点目。ロスタイムにFKから頭で1点を返され、後半22分に波状攻撃から同点弾を浴びたが、33分にクリスティアーノの個人技で勝ち越した。
2位町田は大宮に3-0で快勝して2連勝。首位横浜FCも2連勝を収めて勝ち点差は変わらなかった。J1から今季降格してきた仙台と大分の対戦は3-1で大分に軍配が上がった。
第8節は4月3日、各地で11試合を行う。V長崎は午後2時から、徳島県鳴門市の鳴門ポカリスエットスタジアムで8位徳島と対戦する。
◎苦戦も 個で打開
2点リードから追いつかれたV長崎は、クリスティアーノが個人技で切り裂いて3点目。降格圏を目前に踏みとどまり、力業で勝ち点3をもぎ取った。2ゴール1アシストの殊勲者は「どうしても勝利が必要だった」と安堵(あんど)のため息をついた。
立ち上がり1本目のシュートで先制し、2本目のシュートで追加点。絶好の滑り出しでも楽に勝たせてもらえないあたりに脆(もろ)さが見える。攻守に統率が取れていた中、一つのセットプレーで失点。すると、別のチームに変わってしまったように布陣が乱れ、劣勢を強いられた。
それでも個で打開できてしまうのがV長崎の強み。後半33分、右サイド深くからクリスティアーノが2人を抜き去って左足シュートを放つと、GKがそらしてインゴールの笛が吹かれた。微妙な判定に松田監督は「運もあったかもしれない」と認めつつ「みんなの勝ちたい気持ちが乗り移ったのではないか」とハードワークをいとわなかった選手たちに感謝した。
前節はスタメンを大幅に変えたが機能せず、指揮官が行き着いた答えは原点回帰。従来のメンバーに戻して「ぶれずに戦う。魔法なんかない」と覚悟を決めた。置かれた状況は依然厳しく「とにかく100%出すということを貫いてくれた。それを今後も続ける」と表情は硬かった。