ツインズが開幕投手に新人右腕ライアンを抜擢 球団史上53年ぶり

日本時間4月1日、ツインズのロッコ・バルデリ監督は今季の開幕投手を発表したが、その大役に指名されたのはメジャー通算5試合の登板経験しかない新人右腕ジョー・ライアンだった。エクスパンション時代(1961年以降)において、メジャーでの最初の6登板以内に開幕投手を務めるのは1973年ロイヤルズのスティーブ・バスビー、1986年レンジャーズのホセ・グーズマンに次いでライアンが3人目。ツインズで新人投手が開幕戦に先発するのは1969年のトム・ホール以来53年ぶりとなった。

現在25歳のライアンは昨年9月にメジャーデビューを果たし、5試合に先発して26回2/3を投げ、2勝1敗、防御率4.05、30奪三振を記録。まだ新人王の資格を残している。もともとはレイズ傘下にいた有望株だが、アメリカ代表の一員として東京五輪に出場していた昨年7月にネルソン・クルーズとのトレードでツインズに加入。デビュー2戦目で7回裏一死まで完全試合を継続してメジャー初勝利を挙げ、デビュー4戦目には7者連続三振を含む11個の三振を奪う快投を見せた。今年のオープン戦では2試合に先発し、5イニングを3安打無失点に抑えている。

バルデリ監督は「彼は開幕戦に先発する機会を勝ち取ったんだ」とコメント。「彼を初めてみた日から素晴らしいピッチングをしていたし、キャンプでの状態もいい。大役が舞い込んでくるのはしっかり準備をしているからなんだ」と付け加えた。ライアンに開幕投手を告げたあと、2人はハグを交わしたという。

ツインズの先発ローテーションにはソニー・グレイ(2度)、クリス・アーチャー(4度)、ディラン・バンディ(2度)と開幕投手の経験がある投手が3人もいるが、最有力候補とみられたグレイは調整が遅れており、バルデリ監督は実績よりも現在の状態を優先してライアンの抜擢を決めた。実績のある3人の右腕を獲得したツインズだが、今季ツインズのエースとなるのは25歳の新人右腕なのかもしれない。

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