諫早こども食券の配布開始 コロナ禍、地域全体で支える

食券を受け取りに来た子どもたち=諫早市、アエルウエストビル前

 「子どもの貧困問題」を受け、長崎県諫早市で昨年、初めて企画された「諫早こども食券プロジェクト」。今年も取り組みの継続が決まり、1日、希望者への食券配布が始まった。
 プロジェクトは、「地域全体で子どもを支え育てる」ことを理念に、コロナ禍で困窮している家庭への子育て支援にもつなげようと、昨年、諫早青年会議所(諫早JC)が発案した。寄付金などを原資に食券を発行。子どもたちは提携飲食店で食事やテークアウトができ、店側は使用食券を1枚500円で換金するシステムだ。
 2年目は地元のNPO法人シームレス(上野辰一郎理事長)が、市内の3歳~中学生を対象に活動を継承。今月から9月までの半年間、市母子寡婦福祉会会員の子どもたちを優先した上で、一般世帯にも配布する。4月分は同会会員向けが800枚、一般向けが700枚。
 1日は、栄町のアエルウエストビル前で一般世帯向けの配布が始まった。受け取りに来た中学3年、秋山実優さん(14)は「好きなものを好きな時間に食べることができて便利だと思う。友だちと一緒に利用したい」と話した。
 同法人は計1万食分の提供を目指しており、寄付金を呼び掛けている。4月分の一般向け配布は10日まで(平日午後5時~同7時、土日午前10時~正午)。問い合わせは同法人(電0957.46.6464、平日午前9時~午後4時)。

© 株式会社長崎新聞社