開幕戦3本塁打はメジャー史上4人だけ 元近鉄・ローズも達成

ワールドシリーズでの1試合3本塁打は過去に5度(ベーブ・ルースが2度、レジー・ジャクソン、アルバート・プホルス、パブロ・サンドバルが各1度)達成されているが、それより達成回数が少ないのがシーズン開幕戦での1試合3本塁打だ。1988年にジョージ・ベル(ブルージェイズ)が初の達成者となり、1994年にカール・ローズ(カブス)、2005年にドミトリ・ヤング(タイガース)、2018年にマット・デービッドソン(ホワイトソックス)が達成。なお、1994年のローズは日本球界で活躍したタフィ・ローズのことである。

ベルは1987年に自己最多の47本塁打、134打点を記録して打点王のタイトルを獲得。ア・リーグMVPにも選ばれた。その勢いのままに、1988年の開幕戦ではロイヤルズのエース右腕ブレット・セイバーヘイゲンから1試合3本塁打をマーク。ブルージェイズは5対3で勝利したが、ベルは1人で4打点を叩き出し、チームの勝利の立役者となった。

球界を驚かせたのが1994年のローズだ。前年までメジャー4年間でわずか5本塁打だった男がメッツのドワイト・グッデンからまさかの3本塁打。前年にマイナーで30本塁打を記録したパワーを見事に発揮したが、この「自己最高の1日」以降は勢いが続かず、この年は95試合で8本塁打に終わった。1995年限りでメジャーでのキャリアに区切りをつけ、日本球界へ。通算464本塁打を放つ強打者として活躍した。

ローズから11年後、2005年にはタイガースのヤングが開幕戦での1試合3本塁打を達成。レッズ時代には4年連続打率3割の中距離砲として活躍したが、タイガース移籍2年目の2003年に自己最多の29本塁打を放ち、2005年の開幕戦でキャリア唯一の1試合3本塁打を達成した。タイガースのレジェンド、アル・ケーラインは「私が今まで見たなかで、開幕戦で最高の活躍を見せた選手だ」とヤングの活躍を称えた。

そして、最も直近の達成者となっているのが2018年のデービッドソンだ。ホワイトソックスが14対7でロイヤルズを破った一戦でキャリア唯一の1試合3本塁打を達成。前年に自己最多の26本塁打、この年も20本塁打を放ったが、翌年はメジャーでの出場機会がなく、それ以降は2020年に放った3本塁打のみにとどまっている。

2022年のレギュラーシーズンは日本時間4月8日に開幕する。ベル、ローズ、ヤング、デービッドソンに続く史上5人目の達成者は現れるだろうか。

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