相模原の「戦車闘争」意義を後世へ 50年の節目に市民団体が小冊子発刊 

小冊子「相模原における戦車闘争の意義と承継」を紹介する武田理事長

 ベトナム戦争のさなか、在日米陸軍相模総合補給廠(しょう)(神奈川県相模原市中央区)から戦地に送られる戦車の搬出を座り込んだ市民が阻止した「戦車闘争」から今年で50年。市民活動の意義などを後世に伝えようと、市民団体「相模原地方自治研究センター」(同)が小冊子「相模原における戦車闘争の意義と承継」を発刊した。武田秀雄理事長(54)は「闘争は基地返還の契機にもなった。声を上げることの重要性を知ってほしい」と話している。

 当時、補給廠ではベトナム戦争で壊れた戦車の修理が行われていた。再び戦地へ送り返されるのを食い止めようと政党、労働組合に加え学生や一般市民も集まり、補給廠正門ゲート前を埋めた。1972年8月から戦車が強行搬出される11月まで闘争は約100日間に及んだ。

© 株式会社神奈川新聞社