マドン監督が14年ぶりの奇策 満塁の場面でコリー・シーガーを敬遠

エンゼルスのジョー・マドン監督は常識にとらわれない型破りな采配をすることで知られているが、日本時間4月16日のレンジャーズ戦で14年ぶりの奇策が飛び出した。1点ビハインドの4回裏一死満塁の場面でレンジャーズの強打者コリー・シーガーをなんと申告敬遠。右腕オースティン・ウォーレンが左打者のシーガーと対戦することを避け、右打者のミッチ・ガーバー、アドリス・ガルシアとの勝負を選択した。このあと、犠飛とボークで2点を追加されたが、エンゼルスは直後の5回表に5点を奪い、逆転に成功している。

メジャーリーグ公式サイトでエンゼルスを担当するレット・ボリンガー記者によると、満塁で敬遠された打者は1950年以降では、1998年のバリー・ボンズ(ジャイアンツ)、2008年のジョシュ・ハミルトン(レンジャーズ)に次いでシーガーが3人目。ハミルトンは2008年8月17日(現地時間)のレイズ戦で満塁の場面で敬遠されたが、このときにレイズの監督を務めていたのがマドンだった。レイズは4点リードの9回裏二死満塁の場面でハミルトンを敬遠。次打者マーロン・バードを空振り三振に仕留め、7対4で勝利した。

ボンズが満塁で敬遠されたのは1998年5月28日(現地時間)のダイヤモンドバックス戦だった。ダイヤモンドバックスがボンズを敬遠したのは2点リードの9回裏二死満塁の場面。ここでボンズを敬遠して1点差に詰め寄られたが、次打者ブレント・メインをライトライナーに打ち取り、8対7で接戦をモノにした。

なお、レンジャーズの発表によると、満塁で敬遠された打者はシーガーがメジャー史上7人目だという(アメリカ野球学会の調査で判明している分だけ)。シーガーはジャッキー・ロビンソン・デーという記念の試合で満塁敬遠を記録したが、7人のうち4人はジャッキー・ロビンソンのメジャーデビュー(1947年4月15日:現地時間)よりも前の話。ジャッキー・ロビンソンのメジャーデビューから75周年を迎えたが、その75年間で満塁敬遠を記録したのはボンズ、ハミルトン、そしてシーガーの3人だけである。

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