【フローラS/穴ライズ】想定“20倍”以上の伏兵 「前走は度外視の一戦」

過去10年、フローラSの1番人気は【3-1-0-6】。ただし3年連続で馬券外と全幅の信頼は置けず、3歳春の牝馬限定戦らしい難解な一戦となっている。

1番人気の3連敗を見ると、昨年は新馬→アルメリア賞と2戦2勝のオヌールが8着、2020年は新馬勝ち後の京成杯で2着のスカイグルーヴが5着、3月の未勝利でデビュー勝ちしたばかりのセラピアが14着と、浅いキャリアで成績に傷を残していない馬が人気になるも、ここでは結果が残せていない。

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一方、好走している穴馬の共通点は重賞惨敗の経験。昨年は2走前のフェアリーSで10着と大敗していたクールキャットが5番人気1着と巻き返し、2着も前走のクイーンC10着のスライリーが14番人気で激走した。2019年のジョディーは2歳時の阪神ジュベナイルFで16着に惨敗と、重賞の大敗で人気を落とした馬が台頭している。

しかし、その敗因が距離適性や成長途上と考えれば、ここで巻き返しがあってよく、むしろ人気落ちの盲点となる。今回は重賞惨敗から巻き返す可能性のある「穴馬」3頭をピックアップする。

■エリカヴィータ

昨年10月の2歳新馬でセンスのあるレースぶりを披露。中団でじっくりと折り合い、直線も余力たっぷりの手応えで追い出されると、スパッと切れて上がり34秒0で前を差し切った。

後半3Fは11秒6-11秒5-11秒4と、ゴールに向かって加速していくラップ。これを余力十分に突き抜けたのだから、能力の高さは疑いようがない。

続く前走、年明けのフェアリーSは度外視できる一戦。新馬の勝ちっぷりが評価され、後の桜花賞馬・スターズオンアースに次ぐ2番人気に支持された。しかし、4角で他馬と接触し、トモを取られて失速。鞍上も無理に追わず、10着と大敗した。

その後は放牧に出され、目標をオークスへ切り替えての再出発。新馬勝ち後はクラシック候補にも挙がっていた素質馬だけに、再びの府中で再浮上の可能性はある。

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著者プロフィール

山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長
元・競馬月刊誌の編集長で、現在はスポーツの未来を読みとくメディア『SPREAD』の編集長。1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、穴馬予想を追求し続けている。「ウマ娘」はゴールドシップ推し。

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