時代委員会のシステムとフォード・C・フリック賞の投票制度が変更

日本時間4月23日、アメリカ野球殿堂博物館の理事会は、時代委員会のシステムとフォード・C・フリック賞の投票制度を大幅に変更することを発表した。時代委員会は1980年以前の「クラシック・ベースボール」と1980年以降の「コンテンポラリー・ベースボール」に区分され、後者は選手のみが対象の投票と、監督・球団幹部・審判らを対象とする投票に分けられる。フォード・C・フリック賞とは、試合放送の関係者を表彰するものであり、放送関係者にとっての殿堂入りと言われている。

時代委員会の殿堂入り投票は今後、「クラシック・ベースボール」、「コンテンポラリー・ベースボール」の選手部門、「コンテンポラリー・ベースボール」の非選手部門という3つの部門に分けて行われることになる。各委員会を構成する委員は16名で、当選のためには最低12票(得票率75%)以上が必要という点に変更はない。候補者は従来の10名から8名に減らされ、各委員は最大3名まで投票することができる。

また、時代委員会の候補者になるためには、現役引退から16年以上が経過していることが必要となった。全米野球記者協会の殿堂入り投票の候補者になるまで5年が必要で、記者投票の候補者になれる期間は最大10年のため、記者投票の候補者から外れたあと、時代員会の候補者になるまでに1年の待機期間が発生する。ただし、この変更は2023年1月から適用されるため、今年1月に記者投票期間の10年を終えたバリー・ボンズ、ロジャー・クレメンス、カート・シリング、サミー・ソーサは今年12月の時代委員会の殿堂入り投票で候補者となる可能性が残されている。

一方、フォード・C・フリック賞は1978年に創設され、毎年優れたブロードキャスターを表彰してきた。候補者は8名から10名に増えることが決まり、そのうち最低1名は外国語のブロードキャスターでなければならないという条件も付け加えられた。また、5年に1度、ワイルドカード時代以前(1994年以前)にキャリアを終えたブロードキャスターを投票対象とすることも決まっている。

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