現地時間4月23日は「タティスの日」 史上唯一の快挙達成から23年

1999年4月23日(現地時間)にフェルナンド・タティス(当時カージナルス)が1イニング2満塁本塁打というメジャー史上唯一の快挙を成し遂げてから23年が経過した。昨年4月23日(現地時間)には息子のフェルナンド・タティスJr.(パドレス)が父の快挙達成の地であるドジャー・スタジアムで1試合2本塁打を記録。そうした経緯から4月23日は「フェルナンド・タティス・デー」と呼ばれるようになった。メジャーリーグ公式サイトのアンドリュー・サイモン記者は1イニング2満塁本塁打について「2度と起こらないだろう」と伝えている。

パドレスのスター遊撃手・タティスJr.の父として知られるタティスは、1999年4月23日(現地時間)のドジャース戦で、まずは3回表無死満塁で回ってきた第2打席でレフトへの満塁本塁打を放った。この回のカージナルスは打線がつながり、二死満塁で再びタティスの打順に。タティスはこの場面で今度は左中間への満塁本塁打を放ち、メジャーリーグの歴史にその名を刻むことになった。2本の満塁本塁打はいずれもドジャース先発の朴賛浩(パク・チャンホ)から打ったものだった。

タティスの快挙について、当時のチームメイト、マーク・マグワイアは「宝くじに当たる可能性のほうが高い」と話していた。データサイト「ベースボール・リファレンス」によると、これまでにメジャーリーグの投手は通算400万イニング以上を投げているにもかかわらず、1イニング2満塁本塁打はたったの1回だけ。マグワイアの発言は冗談っぽく聞こえるものの、真実からそれほど離れていないのかもしれない。

そもそも1イニングに満塁の場面で2度打席に立つことすら珍しい。メジャーリーグ公式サイトの調査によると、1916年から2021年までのあいだに同じ選手が1イニングに満塁で2度打席に立ったケースは127回あったという。そのうち、最初の打席で満塁本塁打を放ったケースはタティスを含めて9回だけ。その9回のうち、2度目の打席で再び満塁本塁打を放ったのは、もちろんタティスだけであり、最初の打席で満塁本塁打、2度目の打席で長打を放った選手すら1人もいない。

また、サイモン記者は同じ投手が1イニングに2本の満塁本塁打を浴びることの珍しさにも言及している。1イニングに少なくとも13人の打者と対戦する必要があるからだ。2010年以降、1人の投手が1イニングに13人以上の打者と対戦したケースはわずか6回しかないという。サイモン記者は「パクの記録はタティスの記録よりもさらにアンタッチャブルであるように見える」と記している。

1999年4月23日(現地時間)に誕生した2つの記録、「1イニング2満塁本塁打」と「1イニング2満塁”被”本塁打」は不滅の大記録として、今後もメジャーリーグの歴史に残り続けることになりそうだ。

© MLB Advanced Media, LP.