注目度は渡米前の大谷翔平超え? 米国は佐々木朗希に興味津々「限界はあるのか」

ロッテ・佐々木朗希【写真:荒川祐史】

NYタイムズ「多くの球界関係者が(24日の)登板を待ち望んだ」

ロッテ佐々木朗希投手が24日、京セラドームで行われたオリックス戦に先発し、5回90球を投げて6安打4奪三振5四死球2失点で無傷の今季3勝目を挙げた。完全投球は17回で、連続無失点も22回でストップしたが、日本のみならず米メディアもこの日の投球に大注目。「令和の怪物」に注がれる視線は登板する度に熱くなっているようだ。

登板前から米メディアのボルテージは上がっていた。AP通信は「日本の投手ロウキ・ササキが完全投球継続を狙う」との見出しで特集記事を配信。「100マイル(約161キロ)の直球と衝撃的なスプリットを操る20歳の日本人投手ロウキ・ササキは、日曜日のオリックス戦で完全投球を再び目指すことになる」と伝えた。

ニューヨーク紙「ニューヨーク・タイムズ」は「完全投球に限界はあるのか? ロウキ・ササキがそれを解明する」との見出しで記事を掲載。「日本の天才が日曜日に先発登板する」とし、メジャーで唯一人、2試合連続ノーヒットノーランを達成したジョニー・バンダーミーアを引き合いに出して伝えた。

1914年生まれのバンダーミーアはメジャー通算119勝をマークした左腕。レッズ時代の1938年に2試合連続ノーノーを達成している。記事は「メジャーではバンダーミーアの“快挙”に匹敵する投球をした選手はいない」として「日本ではロウキ・ササキが一歩手前まで迫った」と解説。完全試合と8回パーフェクトの投球は「日本とアメリカで大騒ぎとなり、多くの球界関係者が次回登板を待ち望んだ」と説明している。

試合中に佐々木朗情報をSNSで発信する記者もいた

記事はさらに「20歳にして100マイルの球を投げるササキは、既に多くのメジャーリーグのスカウトの目に留まっている」とも。岩手・大船渡高時代から騒がれる存在であり、ロッテ1年目の2020年は「1度も登板せず、トレーニングを積んだ。慎重に扱われた」としている。

MLB公式サイトも展望記事を掲載し、「ササキの過去2回の先発登板は、国際的な現象を生んだ」として完全試合と8回完全の投球を紹介。直球は「95-100マイル(約153-161キロ)の領域で、正確なコースに投じられる。スプリットは非常に素晴らしく、スライダーにも磨きをかけ続けている」と評した。

現在はメジャーの舞台で見られないことから、「大半のアメリカ人ファンは、彼を遠くから見守ることで満足するしかない」とも伝えている。

世界から注目を浴びた中での登板は、初回先頭の福田に右前打を許して完全投球は17回でストップ。そして、5回に2点を献上して連続無失点も止まった。それでも野球専門の米シンクタンク「ベースボール・プロスペクタス」のルーカス・アポストレリス記者は試合中に自身のツイッターを更新。「ロウキ・ササキのスプリットをクローズアップ。この1球は90マイル(約145キロ)」と記して来田から空振りを奪った一投の動画を投稿した。

また、米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」の元記者ダニエル・ブリム氏はこの日の投球内容をツイート。「結局のところ、ササキは人間だ」と感想を綴った。一挙手一投足が伝えられるという点では、エンゼルス大谷翔平投手の渡米前を既に超えているかもしれない。佐々木朗の投球はそれだけのインパクトを米球界に与えている。(Full-Count編集部)

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