ウクライナ侵攻「時代に逆行」と露に抗議 ゲルニカ爆撃体験者と長崎の被爆者

ゲルニカ爆撃体験者のルイスさんと朝長会長(中央)ら=長崎市、ヒバクシャ・コミュニティ・センター

 ドイツ軍によるスペインのゲルニカ・ルモ市への世界初の無差別爆撃から85年となった26日、爆撃体験者と長崎の被爆者が連帯し、ロシアのウクライナ侵攻に対する抗議文を発表した。
 爆撃体験者と被爆者は2012年に締結した「ともに平和の道を歩む協定」に基づき、米国のシリアへの軍事行動や北朝鮮の核実験実施などの際に抗議文を出しており4回目。
 県被爆者手帳友の会の朝長万左男会長が被爆者代表として署名し「ロシアの侵攻は時代に逆行している。黙っていたらもっと状況はひどくなるので、声を上げ続けることで少しでも抑えたい」と述べた。
 ゲルニカ無差別爆撃体験者代表のルイス・イリオンドさん(99)はビデオメッセージで「戦争で苦しんだ私たちから、彼らは何も学んでいないようだ。ゲルニカから訴えます。戦争は絶対だめだ」と伝えた。
 抗議文は、日本語、英語、スペイン語の3カ国語で作成し、在日ロシア大使館と在スペインロシア大使館に送付した。
 26日は「4.26世界同時にウクライナの平和を祈る会」が長崎市松山町の平和公園であり、ゲルニカ、ウクライナを含む世界7都市と広島・長崎をオンラインでつなぎ、平和への想いを共有。長崎では高校生平和大使など約30人が参加し、学童保育あさひっこクラブが制作したキッズゲルニカの紹介や、被爆者の早崎猪之助さん(91)のメッセージなどを発信した。


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