明治安田J3第7節は29日、各地で6試合があり、カターレ富山は県総合運動公園陸上競技場で鳥取を3-2で下し、今季初のホーム戦勝利を挙げた。2連勝とし、通算成績は3勝1分け3敗の勝ち点10で、順位を8位に上げた。
強い風雨の中、富山は前半6分、右CKにMF川西が合わせて幸先良く先制。直後に追い付かれたが、同33分にFW吉平がミドルシュートを決め、2-1で前半を折り返した。
前線からの積極的なプレスが奏功し、後半も優位に進めた富山は同30分に3点目を奪取。終了間際にPKで失点したが、GK西部を中心に堅い守りを見せて逃げ切った。
待望の今季初ゴールを決めた昨季J3得点王の川西は「自分のゴールより勝てたことがうれしい、連勝できてよかった」と話した。
次戦は5月5日、鹿児島県の白波スタジアムで鹿児島と戦う。
■吉平 豪快に左足一閃 土砂降りの中で、富山の選手たちの歓喜が爆発した。スリリングな打ち合いを制してつかんだ今季ホーム戦初白星。石崎信弘監督は「なんとしても勝ちたい試合でチームが強い気持ちで戦い、結果が出た」と選手をたたえた。
ムードメーカーの一発がチームを勇気づけた。先制直後に追い付かれて攻め手を見いだせず、嫌な空気が漂っていた前半33分。FW吉平が、相手を背負いながら左後方からのクロスをトラップし、すかさず反転して左足を振り抜きゴール右隅にたたき込んだ。
J3藤枝に所属していた2020年にリーグ戦で11点を挙げ、昨季に大きな期待と共に富山へ加入したが3ゴールにとどまった。今季は前線に実力者がそろい、開幕から5試合連続でメンバーから外れた。「悔しさやもどかしさでくすぶっていたが、腐ることなくトレーニングしてきた」。前節で今季初先発を勝ち取ると、持ち前の積極的なプレスでチームを引っ張り、決勝点を挙げた。
練習中から大きな声でもり立てる24歳の得点で、今節もチームは勢いを取り戻した。GK西部は好守を連発し、前節から先発落ちしたMF末木は決勝点で意地を見せる。チーム全体に躍動感があふれていた。
「『やってきたことは間違っていない』と自信が持てる試合だった」と吉平。まだ内容に物足りなさは残るが、巻き返しを狙う富山にとって、勢いに乗る1勝になっただろう。（南貴大）
■良い守備から良い攻撃へ/堤´sEYE カターレは前節と同様に、ボールを保持しながら攻める相手に対し、複数の選手による連動した守備で何度もボール奪取に成功。狙い通りの戦いを見せた。
特にFW吉平は相手のボールを奪いにいく姿勢が素晴らしく、チームにとても良い影響を与えている。守備だけではなく攻撃でも2試合連続で点を決めている。今、一番良い状態でプレーできている選手だろう。
後半の途中からは、天候の影響もあってか全体的に少しペースダウンし、相手の勢いに押し込まれる場面が多くなった。何とか耐えしのいだことで、ホーム戦初勝利をたぐり寄せることができた。
良い守備から良い攻撃へ。カターレの必勝パターンができつつある。（元カターレ富山DF・堤健吾）
富山 3 - 2 鳥取 2 (前半) 1 1 (後半) 1
▽得点 【富】 6分 川西 33分 吉平 75分 末木 【鳥】 8分 石川 86分 石川 ▽交代 【富】70分 椎名→末木 87分 吉平→高橋 【鳥】67分 大久保→小澤 78分 永島→安藤 78分 田口→澤上 78分 魚里→丸山 ▽警告 【富】67分 椎名 78分 林堂 84分 姫野 【鳥】61分 石川 ▽シュート 【富】9【鳥】12 ▽観衆 1291人
【富山】 GK 21 西部 洋平 DF 2 鎌田 翔雅 DF 3 大畑 隆也 DF 23 林堂 眞 MF 6 碓井 鉄平 MF 13 安藤 由翔 MF 17 姫野 宥弥 MF 18 川西 翔太 MF 22 椎名 伸志 MF 24 松本 雄真 FW 27 吉平 翼
控えメンバー GK 1 山田 元気 DF 5 今瀬 淳也 MF 16 末木 裕也 MF 20 大山 武蔵 MF 30 アルトゥール シルバ FW 10 マテウス レイリア FW 8 高橋 駿太
【鳥取】 GK 13 田尻 健 DF 2 石田 侑資 DF 4 鈴木 順也 DF 3 増谷 幸祐 DF 14 魚里 直哉 MF 18 石川 大地 MF 10 世瀬 啓人 MF 6 新井 泰貴 MF 21 永島 悠史 FW 11 大久保 優 FW 9 田口 裕也
控えメンバー GK 1 福留 健吾 DF 22 小山 珠里 MF 15 知久 航介 MF 20 小澤 秀充 MF 26 丸山 壮大 MF 8 安藤 一哉 FW 39 澤上 竜二
