平壌で人気のオーダーメイド春服   全てのスタッフが毎日、新作をデザイン

新緑の季節。5月に入って平壌は、最高気温が20度を上回る暖かな晴天が続いている。

春真っ盛りを迎えて花々で色づく街中を歩く市民の服装も、ピンクや赤、黄色など春色に衣替えされた。

今シーズン、人気を集めているのが五一(オ・イル)被服工場(平壌市楽浪区域)の春服だ。「ネマウム」(私の心)のメーカー名で知られる同工場は、今年に入って開催された第2、3回平壌市人民消費品展示会にスプリングコートと春物のワンピースなどを出品。斬新なフォルムと鮮やかな色使いが、来場者の人気をさらった。

第3回平壌市人民消費品展示会で、女性が新作のスプリングコートを手に取って見ている

展示会以後、工場には春服のオーダーメイド依頼が殺到しているという。春服の見本品は、市民から軒並み好評だ。

人気沸騰の背景には、同工場のスタッフたちの並々ならぬ製作意欲がある。

同工場では、厳格な審査過程を潜り抜けたデザインだけを商品化する独自の生産スタイルを確立、実行している。

工場では支配人を筆頭に、すべてのスタッフたちが毎日必ず1点以上の新作デザインを制作することが習慣化されている。スタッフらは出退勤時に街中を歩く人々の服装を注意深く観察し、デザイン案は家族や親戚、友人、隣人にも見せて意見を求めるなどして不断の改善に努める。

スタッフたちから提出されたデザイン案は、毎日、審議室で審査を行い、その中から選別した1、2点が設計室に送られる。そこで再度審査を通過したデザインで見本品をつくり、さらに全スタッフが参加する合評会で合格を得たデザインだけが晴れて日の目を見るという流れだ。

春服生産のようす

また、月に1度、韓徳銖平壌軽工業大学の教授らを招請して技術伝習も行っているほか、世界的な被服技術の発展にも注力している。

創業は2011年10月。創業当時、スタッフはわずか12人だったが、現在は、設計室、技術準備室、審議室、裁断室、生産室、検査場をはじめ、総合的な被服工場として十分なシステムを備えるようになった。被服の専門知識を有する学位の所有者は、10余人に上る。

昨年、創業10周年を迎え、現在は平壌市内で確固たる地位を確立し、ライバルたちに差をつけて流行の最先端を具現すべく奮闘している。

 

 

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