晴庭マルシェ 〜 アパレルブランドが手がけるマルシェイベント。桃太郎ジーンズ児島味野本店でこだわりの味を楽しむ

晴庭マルシェは、国産ジーンズブランド桃太郎ジーンズを展開する株式会社JAPAN BLUE(ジャパンブルー)が運営するマルシェイベントです。

連休になると桃太郎ジーンズ児島味野本店の裏庭には、児島や岡山県内で活躍する飲食店や雑貨屋が並び、ジーンズストリートを訪れる観光客で賑わっています。

2022年3月19日に開催された晴庭マルシェに足を運び、地元の味革のキーホルダー作りを楽しんできました。

ジーンズの聖地、倉敷市児島のジーンズストリートの老舗アパレル店、桃太郎ジーンズ児島味野本店が手がける晴庭マルシェのようすを紹介します。

晴庭マルシェとは?

2022年3月19日に開催された晴庭マルシェを訪れました。

あいにくの曇り空でしたが、柔らかい空の光は屋外で過ごすのに都合の良い天気。

時間をかけてゆっくりとマルシェイベントを楽しめそうです。

晴庭マルシェの概要

晴庭マルシェは、桃太郎ジーンズ児島味野本店の裏庭で開催されているマルシェイベントです。

2021年4月に桃太郎ジーンズ児島味野本店が建物を改装してリニューアルオープンする際に、ジーンズストリートを訪れた人たちが足を休めるための裏庭が造られました。

連休にジーンズストリートを訪れる観光客に向けて、児島や岡山の味を楽しんでもらえるように、店舗の裏庭を利用した晴庭マルシェがスタート。

リニューアルオープンした2021年4月から、今回の晴庭マルシェを含めて7回開催されています。

晴庭マルシェの参加店舗

晴庭マルシェには、児島や岡山県内で活躍する飲食店と雑貨屋が参加しています。

以下は、2022年3月19日、3月20日の晴庭マルシェに出店した店舗です。

晴庭マルシェで食べてみました!

晴庭マルシェでは、スタッフ一押しの飲食店や雑貨屋を招待しているそうです。

スタッフたちのお気に入りの味を、楽しんできたので紹介します!

AYUSTAM

ハンバーガーショップのAYUSTAM

肉、野菜、チーズ、パン、すべての素材にこだわったハンバーガーを提供しています。

▼パンから贅沢(ぜいたく)にはみ出した素材が、ハンバーガー好きの筆者の心を刺激しました!

▼限界まで口を開けても頬張れない大きさです!

挟まれているパティは牛肉100%。

パティからあふれる肉汁濃厚なチェダーチーズ、シャキシャキとした歯応えのある野菜

最高級のハンバーガーと言っても過言ではありません。

JP’s vender 61

JP’s vender 61は、岡山市北区錦町に店舗を構えるチキンオーバーライスの販売店です。

チキンオーバーライスとは、ニューヨークの屋台で親しまれている料理。

スタッフの説明によると、イスラム圏で食べられるハラルフードが、ニューヨークで親しまれるなかで変化したものがチキンオーバーライスとのこと。

白米の上に、鶏肉とレタスなどの野菜、スパイス、チリソースが載っているのが特徴です。

彩り豊かで、舌だけでなく、視覚でも楽しめます!

見た目の印象からは、かなり辛そうな印象がありましたが、筆者にとってはほどよい辛さでした。

甘辛いチリソースと、半熟の卵が絡まりまろやかな味。

そして、意外にもご飯に合うので箸が止まりませんでした。

ふかふかタイガ〜

焼きいも屋と聞いていたので「やきいもー、いーしやーきいも、おいも!」のメロディーでお馴染みの焼きいもの移動販売車を思い浮かべたのですが、メニューを見て驚きました!

複数の種類のいもが楽しめる焼きいも屋に出会ったのは初めてです。

味を食べ比べたいのですが、胃袋に重たく留まるであろう焼きいもを複数本も食べるのは難しそう。

たくさんの種類を食べたい気持ちを押さえ込んで、阿波ロマンを注文しました。

▼もちろん、アツアツのホクホクです!

1種類しか食べなかったため、味の違いを感じることはできませんでしたが、メニューの説明にあるように、確かに阿波ロマンは控えめな甘さでした。

胃袋に隙間がなかったために叶いませんでしたが、次は空腹状態で足を運び、いもの食べ比べをしてみたいと思います!

晴庭マルシェのワークショップ

晴庭マルシェでは、衣服に関連したワークショップが開催されています。

アパレル店が主催するワークショップがどのようなものか楽しみです!

ワークショップの概要

2022年3月19日の晴庭マルシェでは、革ベルトの切れ端を利用した刻印体験が行なわれました。

アルファベットが彫刻された金型を革の表面に打ち込み、好きな文字を刻印するワークショップです。

筆者がワークショップに参加して、革のキーホルダーを製作してきたので、完成するまでのようすを紹介します。

ワークショップに参加してみました!

刻印をする革は、2種類から選べます。

▼レザーコースターのサンプルです。

▼ジーンズ形のキーホルダー、用意されている色は5種類あります。

筆者は、ジーンズ形のキーホルダーへの刻印体験に参加することにして、色はジーンズと同じ青を選びました。

▼ワークショップのブースです。

ワークショップに必要な道具は、すべてブースに準備されていました。

持参する道具は必要なかったので、気軽に参加できます。

▼文字を革の表面に刻印するための金型です。

金型の先端には左右が反転しているアルファベットが彫刻されています。

刻印する文字を決めたら、必要な金型を準備

▼筆者が使用する文字です。

何を書こうとしているかわかるでしょうか?

▼キーホルダーに文字を打つ前に、練習用の革に文字を刻印させてくれます。

練習で刻印しながら、文字の感覚を調整しました。

金型をハンマーで打ち込むのは、単純で簡単そうな作業ですが、等間隔に、同じ深さで刻印するのは意外と難しい。

しっかりと練習をして、力加減を体で覚えてから、本番用のキーホルダーに移りました。

▼打刻するまえに、表面を水で湿らせたタオルで拭きます。

革の表面が柔らかくなり、金型に刻まれた文字が転写しやすくなるそうです。

文字の順番を間違えないように慎重に打ち込んでいきます。

▼筆者が製作したキーホルダーです!

「倉敷の今」を伝えるウェブメディア、くらしきとことこです!

「KURASHIKI」と「TOKOTOKO」は、幅に対して文字数が多かったため、文字間隔を狭めながら打刻するのに苦戦しました。

ちなみに、とことこは「TOCOTOCO」が正しいかもしれないと思い浮かんだのはワークショップが終わったあと。

しまったと思ったものの、しっかりと革に刻印された文字をどうすることもできず、後の祭りでした。

苦労して作っただけあって、お気に入りのキーホルダーとして使っています!

続いて、晴庭マルシェが開催されるに至った背景について、株式会社 JAPAN BLUEの広報担当者にインタビューをしました。

晴庭マルシェのこだわりについてインタビュー

晴庭マルシェが開催されるに至った背景について、株式会社 JAPAN BLUEの広報担当者に話を聞いてきました。

どのような背景で晴庭マルシェが生まれたのか、どのようなところにこだわりがあるのかを紹介します。

マルシェを開催した背景

──なぜアパレルショップがマルシェイベントを始めたのでしょうか?

担当者──

桃太郎ジーンズ児島味野本店は、2010年、ジーンズストリートが発足したときに最初に店舗を構えた3店舗のうちの1つです。

ジーンズストリートの老舗アパレル店として地域を盛り上げるために、観光客だけでなく地元の人も集まれるマルシェイベントを発案しました。

2021年には、桃太郎ジーンズが国産ジーンズブランドとして発足15年となり、桃太郎ジーンズ児島味野本店は店舗を大幅に改装してリニューアルオープン。

その際、改装した店舗に、地域のイベントとして活用できるように裏庭を作りました。

児島を代表するアパレル店として、地域社会に貢献したいという創立者の真鍋の想いが込められています。

──出店者へは、誰が呼びかけているのでしょうか?

担当者──

晴庭マルシェでは、桃太郎ジーンズ販売店のスタッフらがおすすめする飲食店や雑貨店を招待しています。

たとえば、焼きいも屋のふかふかタイガ〜は、ジーンズストリートに店舗を構えるJAPAN BLUE JEANS児島店の店長のおすすめです。

JAPAN BLUE JEANS児島店の店長が無類の焼きいも好きで、マルシェイベントを開催するのであればふかふかタイガ〜に声をかけたいと切望していました。

他にも、ひげ良品は、倉敷市内に店舗を持つNaish Curryのカレールーを使ったカレーライスを提供しています。

Naish Curryは児島にも店舗があったため、ソウルフードといっても過言ではないぐらいスタッフたちの大好物でした。

スタッフらのお気に入りの飲食店や雑貨屋に声をかけ、晴庭マルシェに出店してもらっています。

ワークショップについて

──ワークショップは誰が企画しているのでしょうか?

担当者──

ワークショップの内容もスタッフたちが考えています。

過去の晴庭マルシェでは、デニム生地の重さ当てゲームを行ないました。

ジーンズは、生地の厚みを重さの単位「オンス」で表します。

基準として設けられている面積あたり重さで比較するため、薄手の生地であれば軽く「ライトオンス」と呼ばれ、厚手の生地であれば重く「ヘビーオンス」と呼ぶこともあるんです。

生地を重さで表現するのは面白いよね」というスタッフの気づきから、重さ当てゲームが生まれました。

他にも、余ったデニム生地を活用したクリスマスリース作りなど、ゴミをゴミにせずに利用できないかという着想から生まれたワークショップもあります。

これまでの晴庭マルシェでは、スタッフのアイデアからジーンズに関わるワークショップを行なってきました。

──なぜ革に刻印するワークショップが生まれたのでしょうか?

担当者──

桃太郎ジーンズでは、ベルトのオーダー注文を受けています。

栃木レザー株式会社が製造する栃木レザーという革を使っていて、ジーンズと同じように経年変化による味わいを感じられる素材です。

上質な革なのですが、オーダーでベルトを製作するとどうしても切れ端のような不要な部分が発生してしまいます。

本来ならゴミとして処分されるものを活用するとともに、革に触れながら質感も楽しめる文字の刻印イベントを企画しました。

──どのような特徴を持つ革なのでしょうか?

担当者──

栃木レザー株式会社は、タンニンと呼ばれる成分を使った古くから伝わるなめし技術で革を製造している会社です。

牛から採れた「皮」を、素材として使う「革」に加工するなめしには、大きく分けて2つ種類の製法があり、革は加工方法により分類されます。

1つは金属のクロムを使った加工方法で、革を効率的に生産できる製法です。

クロムを使った製法のレザーはクロームレザーと呼ばれて、流通しているレザーの9割はクロームレザーだといわれています。

もう1つは、植物由来のタンニンという成分を使った加工方法で、昔ながらの手間暇がかかる製法。

タンニンを使った製法のレザーはタンニンレザーと呼ばれます。

実は、クロームレザーからは経年変化による味わいを感じにくく、一般的にいわれている革製品の経年変化の味わいを楽しめるのはタンニンレザーなんです。

タンニンを使った製造方法は非効率なのですが、栃木レザー株式会社は昔ながらの製法をこだわりぬいてきました。

今では古いものが見直されていることもあり、コアなファンを中心にタンニンレザーは人気を集めています。

職人気質から生まれたマルシェイベントを訪れて

こだわり抜いた商品だけを販売する桃太郎ジーンズ。

最高級の素材を使ったハンバーガー、独創的な料理のチキンオーバーライス、豊富な種類の焼きいもなど、舌からもマルシェイベントへのこだわりが感じ取れました。

スタッフのお気に入りの店舗に声をかけていたり、衣類についての学びが得られるワークショップを企画したり、一つひとつの行動に理由があります。

国産ジーンズブランドとしてこだわり抜いた商品を手掛けてきた気質が、晴庭マルシェにも自然と表れたのでしょう。

連休はジーンズストリートに足を運び、国産ジーンズだけでなく、職人気質を感じるマルシェイベントを楽しむのもおすすめです!

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