吉川区稲古の水田にコウノトリ   つがいか、餌ついばむ

 吉川区稲古地内の水田で5、6の両日、国の特別天然記念物に指定されているコウノトリのつがいとみられる2羽が目撃され、上越タイムス社に写真が寄せられた。

水田にコウノトリが飛来し、餌をついばんでいる様子などを目撃(6日昼ごろ、橋爪正平さん撮影)

 撮影したのは稲古町内会長の橋爪正平さん(69)。自身の農作業中に目撃し、特に6日は「代かき中の5時間ぐらいずっと一緒だった」という。

 橋爪さんは「サギかと思ったらそれよりも小さいし、5歳の孫が動物図鑑を広げて、コウノトリだよと教えてくれた」。水田の中のミミズなどをついばみ、作業上近寄ったり、トラクターの音が出たりしても逃げることはなかったという。橋爪さんは「人間に慣れている気がした。とてもきれいだった。以降見かけていないが、また見たい」と話した。

 上越地域では3年ほど前から、コウノトリの目撃例が多数寄せられている。左右の脚に足環が着けられ、兵庫県立コウノトリの郷公園(同県豊岡市)などから放鳥された個体か、外で繁殖した個体とみられる。

 同公園の担当者は「多くのコウノトリは短期滞在して移動する。上越市が繁殖に適している場所であれば定着し繁殖する」と説明し、「見たり撮影したりするときは、コウノトリが警戒して飛び立ったりしないように、離れて行ってほしい」と話している。

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