自然や里山暮らし体感 相模原・藤野地区で山野草収穫など体験型観光人気 首都圏からリピーターも  

採取した山野草やタケノコは天ぷらなどにして食べられるほか、持ち帰りもできる

 自然豊かな相模原市緑区藤野地区を舞台にした体験型の観光が人気を呼んでいる。里山の暮らしを体感できるプログラムは子どもだけでなく大人にも好評で、首都圏から通うリピーターも多いという。主催するNPO法人自然体験学校みどり校は「藤野のあらゆる財産を生かした観光で、地域の活性化や産業につなげていきたい」と意気込む。

 4月中旬。みどり校のスタッフたちは藤野の山道を歩き、山野草が生えている場所やタケノコが埋まっているポイントを確認していた。

 週末の「春の山野草採り体験」には都内から親子連れが参加する予定で、当日と同じコースを回り、1時間で約30種類の山野草を採取。古民家でてんぷらやタケノコご飯を調理し、味を確かめた。

 スタッフの大木康敏さん(71)は「旬の山野草は柔らかく、甘い。この時季にしか味わえない自然の恵み」と話し、代表理事の土屋拓人さん(45)も「都内に住んでいたころはタラの芽やふきのとうは本でしか見たことがなかった。直接採って味わえるのは最高」とほほ笑んだ。

 みどり校は2012年に地元住民らで発足。里山での体験観光を企画、運営している。地元の竹を使った「流しそうめんイベント」は特に人気で新型コロナウイルス禍前は毎夏、都心から多くの親子連れが訪れたという。

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