SDGsにつながる話題です。大分市の建築会社が、使わなくなった木材を希望する人に譲る取り組みを始めます。背景には一体どんなことがあるのでしょうか。
下野紗弥記者
「建設中の住宅の前にボックスが置かれていて木材が入っています。薄くて長いものもあれば四角く大きなものもあります。これからまだまだ色んな使い道がありそうです」
家を建てる時に出るこれらの廃材を希望する人に無料で引き渡す取り組み、「残材BANK」。
リフォームなどを手がける大分市の建築会社、SAKAIが、来月から始めます。残材BANKは石川県の建築会社が立ち上げたプロジェクトで、SAKAIによると九州での導入は初めてだそうです。
なぜ、この取り組みを始めることになったのか。そこには、建築業界が抱えるある課題がありました。
SAKAIブランド推進部 中鼻理子 係長
「廃棄木材の運搬時間や処分コストが大きいというところで問題視していて、処分してしまう木材を求めている方にぜひお渡ししたいと思って残材BANKという取り組みを始めた」
国土交通省の調べでは、住宅などを建てる時に発生する不要な木材は全国で年間553万トン発生しています。多くはリサイクルされますが、それでも27万トンほどは処分されています。家を建てる時は、想定よりも多い木材を仕入れるため、やむを得ず使わない分が出てしまいます。余った木材は使い道がなく、また、専門業者に処分を依頼する費用もかかってきます。
SAKAI ブランド推進部 中鼻理子 係長
「建設会社は使う木材ってすごくあるんですけど、使わなくなったで終わったらだめだと思う。主にインスタグラムで情報発信させていただきますので、DIYされている方に届けばいいな(と思います)」
いらなくなった木材が出た場合、客の許可を取ってインスタグラムで情報を発信し、その後、受け取り場所を連絡するということです。廃棄されるはずの木材が「使いたい」と希望する人の手元に渡っていく。SDGsの12番目の目標「つくる責任つかう責任」につながります。「残材バンク」は、来月1日から始まるということです。