■次戦はJ1神戸
サッカーの第102回天皇杯全日本選手権(日本サッカー協会、Jリーグ主催、共同通信社、NHK共催)は22日、各地で1回戦を行い、県代表のJ3カターレ富山は高岡市の高岡スポーツコアで静岡県代表のJ3藤枝に1-0で勝利した。2回戦は6月1日にノエビアスタジアム神戸でJ1神戸に挑む。
カターレは前線から積極的にプレスを仕掛け、MFの川西や姫野を起点に好機をつくった。前半17分に右サイドでボールを奪ったMFアルトゥールシルバがクロスを上げ、FW吉平が頭で合わせ先制。連動した守備で藤枝の攻撃をしのぎ、リードを保って折り返した。
後半は連係が乱れてボールを失う場面が増え、シュートはわずかに1本。耐える時間が続いたが、MF碓井を中心に守りを堅めて逃げ切った。
■鍋田フル出場 桐蔭横浜大も勝利
このほか、DF鍋田純志(あつし)(22)=富山市出身=がフル出場した桐蔭横浜大(神奈川県代表)は立正大(東京都代表)に1-0で勝利。日本フットボールリーグ(JFL)の鈴鹿ポイントゲッターズ(三重)は3―0でチェント・クオーレ・ハリマ(兵庫)に快勝した。鈴鹿の三浦知良はベンチ外。
■J3対決 吉平千金弾
ピッチに大声を響かせ続けた。不在の主将と副主将に代わってキャプテンマークを巻いたカターレのFW吉平翼が値千金の先制ゴールで勝利に貢献。心技両面でチームをけん引した24歳は「苦しい時間帯こそ声を出すことを意識した。得点は素直にうれしい」とはにかんだ。
同じカテゴリー同士の負けられない一戦。抜群のスピードで相手にプレッシャーをかけ、がむしゃらにゴールに向かうと、ボールを持つたびにサポーターから期待の拍手が起こった。迎えた前半17分。MFアルトゥールシルバからのクロスを頭で押し込み、駆け寄ってきた仲間と満面の笑顔で抱き合った。
練習からひときわ大きな声を出すムードメーカー。前線の戦力が補強された今季は開幕から約1カ月間出番がなかったが、シュートやプレスの積極性を評価され、公式戦ここ5試合連続で先発している。石崎信弘監督は「自分がやるという強い気持ちで引っ張ってくれており、彼が入ってからチーム状況も良くなってきている」と信頼を寄せる。
天皇杯2回戦はイニエスタや武藤、大迫らスター選手を擁するJ1神戸と対戦する。「失うものは何もない。勝ちに行くだけ」。真っすぐな目で下克上を誓った。(高田莉緒奈)