【親の健康】介護になった時のことを考えているのは10%未満!「親の健康」に対する意識はいかに

日頃の食生活や運動、メンタルヘルスなど健康維持に注力することがコロナ禍で一層広がったように思います。しかし、そんなふうに健康づくりをしていても健康を損なうことがあるのも事実。自分のことはもちろんですが、親がそうなった際のことを考えている人はどれくらいいるのでしょうか。

病院やクリニックのDX推進をサポートするスマートスキャン(株)は、要介護者認定を受けていない60歳以上の親を持つ男女を対象に「親の健康」に関する調査を実施。親の健康に対する意識が明らかになりました。

【調査概要】「親の健康」に関する調査
・調査期間:2022年4月22日(金)~2022年4月23日(土)
・調査方法:インターネット調査
・調査人数:1,007人
・年代内訳:30代490人、40代517人
・男女比:男性5:女性5(男性499人、女性508人)
・調査対象:要介護者認定を受けていない60歳以上の親を持つ男女
・モニター提供元:ゼネラルリサーチ

親が介護状態になった時の対応について考えていない人は約半数!

はじめに「親が要介護者となった場合のことについて考えていますか?」と質問したところ最も多かったのは「考えていない」(47.4%)。次いで多かったのは「考えているが、まだ具体的な話し合いはしていない」(44.3%)、「考えていて、家族や親・兄弟などと具体的な話し合いをしている」(8.3%)でした。

費用について考えているのかどうかを聞くと「親が要介護者となった場合、介護費用はどのようにして工面する予定ですか?」との質問に対して、最多は「まだ決めていない・わからない」(59.0%)。以降は「親の預貯金などで工面する予定」(27.7%)、「自分たち家族が工面する予定」(10.6%)、「兄弟・姉妹など親族に工面してもらう予定」(2.3%)と続きます。ほとんどの人がわからない状態ですが、具体的なプランを考えている人もいます。下記、考えている人の声です。

・早めに介護施設を見つける。自身が施設職員なので、出来れば施設で見てもらいたい。リハビリをしながら安心や安全を確保した生活をしてもらいたい(30代/女性/茨城県)
・生命保険やかかりつけ医、持病の把握、自身の介護の資格活用(30代/女性/福岡県)
・自分の稼ぎや資産運用して資金を準備している(30代/男性/東京都)
・早めの情報収集。制度について理解しておく(40代/男性/鹿児島県)
・今の状況を把握して家族で話し合う(40代/女性/北海道)
・近所づきあいをしておく。担当の地域包括センターを調べておく(40代/女性/愛知県)

シニアになった親の健康状態、把握している?

そもそも、親の健康状態を把握しているのでしょうか。「親が受診している健診・検診で把握しているものを教えてください(複数回答可)」と質問したところ、「一般健診(付加健診を含む)」(52.6%)が最多。次いで「健診・検診は受診していない」(32.5%)、「がん検診(胃がん、乳がん、子宮頸がんなど)」(22.2%)、「特定健診」(13.2%)、「人間ドック」(9.1%)と続きました。

いつまでも健康でいてほしいからこれをして!

では、健康を考えるうえで親にはどのようなことを取り組んでほしいのでしょうか。「親の健康を考えるうえで取り組んでほしいことを教えてください(複数回答可)」と質問したところ、「適度な運動をする」(44.5%)が最も多く、「規則正しい生活を送る」(42.0%)、「趣味を持つ(楽しむ)」(37.9%)、「健診の受診頻度を高める」(32.6%)、「食生活を見直す」(30.3%)、「人間ドック・脳ドックなどを定期的に受診する」(25.2%)となりました。

その一方で「親が要介護者とならないよう、健康のためにご自身はどのような行動をしていますか?(複数回答可)」と質問すると、半数以上が「何もしていない」(58.7%)とのこと。それ以外は「健診・検診の受診サポート」(19.4%)、「食生活のサポート」(14.5%)、「運動のサポート」(12.5%)、「人間ドック・脳ドックなどの受診サポート」(10.4%)、「趣味のサポート」(8.8%)と続きました。この結果から、健康を願うものの具体的なサポート方法がわからないという人が多いことが予想されます。

シニアになった親にできる健康サポート

日頃から親にできるサポートはいろいろあります。サポートというと難しかったりお金や移動の時間がかかると思われがちですが、日頃の生活に組み込めることもあります。そこでここでは、誰でもできるシニアになった親への健康サポートをご紹介します。

シニアになった親の異変が簡単にわかる「10項目のチェックリスト」

まずは親の健康状態を把握しておくことが大切です。そこでおすすめなのが東京電力エナジーパートナー㈱が作成した「10項目のチェックリスト」。シニアになった親の変化が簡単にわかるので活用してみるといいでしょう。

親の様子を見て確認することはもちろんですが、会話中の話題だったりこれをきっかけに会話を広げてみたりなど活用方法はいろいろあります。このチェックリストは厚生労働省が2020年4月から75歳以上の後期高齢者を対象に導入した(義務づけた)フレイル健診に通じるので、そこもまた安心できますね。

認知症予防に「絵本の読み聞かせ」

認知症予防に有効として塗り絵が流行っていますが、じわじわと広がっているのが絵本の読み聞かせです。

これはシニアが相手に対して絵本を朗読すること。朗読には言語能力や記憶力を刺激する効果がありますが、絵本を見ることは知的活動であり、感性を磨く要素も含まれています。

同居している親はもちろん、オンラインでもできるのが良いところ。孫・親に同じ絵本を用意して楽しむこともできますよ。

家族でするのもあり!楽しくクリエイティブ活動「YouTubeチャンネル開設」

シニアの間にも広がっているYouTube。一緒に動画を見て楽しむのももちろんですが、いっそのこと一緒にチャンネル開設をするのもありかも!? 最近演者になるシニアが増えていますが、家族で企画・撮影しているシニアユーチューバーも増えているようです。

創作活動は自然と体を動かしたり話したりと刺激を与え、新たな楽しみとなって心もワクワクするはず。

ちょっとの工夫でシニアになった親の健康サポートはできるもの。コミュニケーションのフックにもなりますので、ぜひやってみてはいかがでしょうか。

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