手打ちうどん おおにし 〜 倉敷川畔で45年以上続く老舗!倉敷名物ぶっかけうどんから個性派うどんまで幅広く楽しめる

倉敷の名物といえばぶっかけうどんですよね。

美観地区に来たなら、ぶっかけうどんをぜひ食べたいところ。
観光で、その土地の名物料理を食すのは楽しみのひとつです。

そんなとき「手打ちうどん おおにし」はピッタリの店。

倉敷川畔という美観地区の中心にあるので、観光で来たときに訪れやすいのがポイントです。

でも、それだけじゃありません!
おおにしは、ぶっかけうどんはもちろん、おいしい本格派のうどんがいろいろ楽しめる店なんです。

しかも、美観地区が観光地として注目されはじめたころからある、創業45年以上の老舗。

長年にわたり、観光客だけでなく地元の住民からも愛され続けている店なんです。

そんな人気のうどん店・手打ちうどん おおにしを紹介します。

手打ちうどん おおにしは倉敷川畔にある昭和48年創業の老舗うどん店

おおにしがあるのは、美観地区のメインエリア・倉敷川畔
倉敷川の東岸にあります。

古い建物を店舗としていて、美観地区らしい趣のある雰囲気です。

▼店頭には、一部のメニューのサンプルが飾られていました。

おおにしは、昭和48年(1973年)創業の老舗のうどん店です。

美観地区が人気観光地となる前から営業しています。

そのため、観光客だけでなく地元の常連客も多いのが特徴です。

▼おおにしの店内は、テーブル席がメイン。

なお、テーブルの配置は変えられます。

▼奥の厨房の前には、カウンター席も。

▼おおにしの店内には、美術品が飾られています。

倉敷ガラス陶芸品もありました。

美観地区周辺は、大原美術館や市立美術館、倉敷民藝館などといった文化施設が多いです。

そのため美術品に興味があるお客さんが多いので、店内に美術品を飾っているそう。

棟方 志功(むなかた しこう)や芹沢 銈介(せりざわ けいすけ)などの著名な人物の作品や、貴重な作品、お客さんから贈られた作品なども飾られています。

手打ちうどん おおにしのおすすめメニュー・人気メニュー

おおにしは、とてもたくさんのメニューがあります。

そこで、店主の大西 洋(おおにし ひろし)さんに、お店のおすすめメニューや、お客さんから人気のメニューを紹介してもらいました。

2022年(令和4年)5月時点の情報。価格は消費税込

「瀬戸内おろしレモンうどん」は店主イチオシのメニュー

店主・大西さんが一番おすすめするメニューが「瀬戸内おろしレモンうどん」です。
温と冷があり、どちらも850円です。

また、瀬戸内おろしレモンうどんには「天ぷらセット」(1,100円)もあります。

取材のときは、天ぷらセットでうどんは温を注文しました。

瀬戸内おろしレモンうどん(温)

大きなレモンの輪切りが三切れ乗っているのが印象的。

レモンは国産のもの

鮮やかな黄色が美しいです。

ツユは薄い透明感のある色で、ダシの効いたスッキリとした味わい
レモンをしぼって、うどんツユにレモン果汁を加えていきます

うどんのツユとレモンは合うのかどうか不安でしたが、サッパリしたうどんツユに爽やかなレモン果汁が加わると、サッパリ感が増して意外にも合います!

麺太め。とてもしなやかで適度なコシがあっておいしい

レモン果汁が加わってサッパリとしたツユと麺がよく合い、ツルツルと勢いよく食べられます。

たっぷりのダイコンおろし。

レモン果汁が入ってサッパリしたツユと、ダイコンおろしのサッパリ感はピッタリ。

さらにダイコンおろし特有の舌触りがいい仕事をしています。

天ぷらセットの天ぷらは、エビとナンキン

衣はサクっとした食感。

エビは結構太めでプリプリッとしています。
いっぽう、ナンキンはホクホクです。

斬新だけど、サッパリして食べやすい瀬戸内おろしレモンうどんは私もおすすめです!

実は、瀬戸内おろしレモンうどんは、その昔夜の宴会限定メニューとして提供されていた「うどんすき」ヒントに生まれました。

鰹と昆布のスープとレモンが相性抜群で、そんなうどんすきの味を一杯で食べて頂きたいという想いから、「瀬戸内おろしレモンうどん」が誕生したそうです。

「ぶっかけうどん」は倉敷発祥の名物うどん

おおにしで人気なのが「ぶっかけうどん」各種。

ぶっかけうどんは、倉敷で生まれた名物料理です。
おおにしでは、数種類のぶっかけうどんをラインナップ。

いずれもがあります。

▼「おろしぶっかけうどん ()」(900円)を注文しました。

▼しかも、ぶっかけうどんとさば寿司がセットになった「倉敷ぶっかけセット」で注文。

倉敷セットのうどんは、通常「ぶっかけうどん」が付いていて1,100円。
ぶっかけうどん以外のぶっかけうどんは、単品価格の差額をプラスすることで変更できます。

倉敷セットで「ぶっかけうどん」(単品価格 750円)を「おろしぶっかけうどん」(単品価格 900円)へ変更した場合は、差額150円をプラスして、1,250円です。

▼上から見ると色とりどりの具材が乗せてあるのがよくわかって、おいしそう。

▼中央には、ダイコンおろしの上にウズラの卵、おろしショウガ。

中央には、ダイコンおろしの上にウズラの卵、おろしショウガ
カツオ節・刻み海苔・カマボコ・刻みネギも

▼もちろん、麺は瀬戸内おろしレモンうどんと同じ。

冷で注文したので、コシは温よりも強めです。

ぶっかけうどんは、ツユを最初からかけてあるスタイルと自分でツユをかけるスタイルがあります。

▼おおにしのぶっかけうどんは、自分でツユをかけるスタイルです。

▼具材の上から思い切ってツユをぶっかけましょう。

甘めのツユは、麺や具材に絡めるととてもおいしいです。

ぶっかけうどんは、食べ進めれば食べ進めるほど、奥深い味わいを楽しめる気がしました。

おおにしのぶっかけうどんは、やさしい甘さが楽しめ、後味がとてもサッパリしています。

やみつきになりそうなおいしさがあると思いました。

「さば寿司」は隠れた逸品

「倉敷セット」でいっしょに付いてくる「さば寿司」。

これも絶品なんです!

▼倉敷セットでは、さば寿司が2貫付いてきました。

▼サッパリとしたほどよい甘酸っぱさが、うどんとよく合います。

おいしいので、もっと欲しくなってしまう!

さば寿司もぜひ食べてみてください。

その他のおすすめメニュー

2022年(令和4年)5月時点の情報。価格は消費税込

「すずしろうどん」は清涼感あふれたうどんで夏におすすめ

すずしろうどん」(750円)は、ダイコンおろしを乗せたうどん麺を、つけ汁につけて食べる冷たいうどんです。

すずしろ」は春の七草でダイコンのこと。

ダイコンおろしとともに食べると、サッパリとするだけでなく、ダイコンおろしの清涼感ある味わいが楽しめます。

まさに暑い夏にピッタリのうどんです。

コラボ・増し増しダブルは「ありそうでなかった」メニュー

2021年から提供されている「コラボ・増し増しダブル」は、思いつきで始めてみたら好評でレギュラーメニューになりました。

メニューは以下の4種類。

肉&天ぷらうどん

取材時は「肉&天ぷらうどん」を注文しましたが、肉のうまみの出たダシで食べる、うどんと天ぷらがおいしかったです

ボリュームも多く、一杯で満腹になります。

おおにしのメニュー一覧

ほかにも、おおにしにはたくさんのメニューがそろっています。
そこで、メニューの一覧を紹介します。

2022年(令和4年)5月時点の情報。価格は消費税込

ぶっかけうどんメニュー
うどん、一品メニュー
セットメニュー

魅力的なうどんがそろっている手打ちうどん おおにし。

そんなおおにしの店主・大西 洋さんへインタビューをしました。

手打ちうどん おおにしの店主・大西 洋さんへインタビュー

手打ちうどん おおにしの二代目店主・大西 洋(おおにし ひろし)さんへインタビューをし、開業の経緯や店を継いだ理由、店のこだわり、今後の展望などを聞いてみました。

インタビューは2020年3月の初回取材時に行った内容を掲載しています。

新幹線開通を機に自動車店からうどん店へ鞍替え

──開業の経緯は?

大西──

創業は昭和48年(1973年)5月です。アイビースクエアと同じ年ですね。

もともと、当店があるところは「大西モータース」という自動車販売の代理店だったんですよ。
父が経営していて、今の店でテーブルが並んでいるところが作業場でした。

現在では想像できないかもしれませんが、昭和48年より前の倉敷川畔は、あまり観光地化されていなかったんです。

大原美術館や考古館などの文化施設はありましたし、町並も保存されていましたが、今のように観光客向けの店はありませんでした

飲食店もありません

あったのは、民家だったり地元の生活に密着した店だったり。
父の自動車店もそんな感じの店です。

──それがなぜ、うどん店に?

大西──

きっかけは、昭和47年(1972年)の山陽新幹線の開通です。
新幹線が岡山まで開通するということで、市や県が観光に力を入れるようになりました。

それで自動車店を郊外に移転することになったんです。

そして、自動車店の跡を利用して母が観光客向けの飲食店を始めようということになりました。

──お母様は飲食店の経験があった?

大西──

実は、母の実家は岡山市中心部で洋食店を営んでいたんです。
だから料理は得意でした。

母は倉敷の歴史やイメージなどを考えて、うどん店にすることにしたようです。
うどん店をすると決まってからは、うどんの本場・香川県に修行にいって技術を学び、昭和48年に開業しました。

さきほど言ったように、昔は倉敷川沿いに飲食店はなかったので、今もある蕎麦屋のあずみさん・食事処のカモ井さんに次いで、おおにしが3店舗目の飲食店だったと聞いています。

しばらくして父は自動車店をやめて、父と母でうどん店を切り盛りするようになりました。

最初はうどん店を継がずにファッションの道へ

──大西さんは、なぜうどん店を継いだ?

大西──

最初は、うどん店を継ぐつもりはありませんでした。

学校を卒業後、機械系の工場を経て、服屋で働いていました。
もともとファッションが好きやったから、服の仕事をしたかったんです。

自分の仕事には満足はしていましたが、うどん店を営む両親が年をとって大変そうでした。
それで、自然とうどん店を手伝うようになったんです。

手づくりにこだわって真心のこもる「やさしい味」のうどんづくりを

──うどんづくりでこだわっていることは?

大西──

手づくり」であることにこだわっていますね。

手間はかかります。
たとえば、麺も生地からつくっていますし、できあがるまで2日かかるんです。

でも、おいしいとお客さんに言ってもらえることが励みになります。
特に「やさしい味でした」という声がうれしいですね。

麺でもダシでも同じですが、数字や理論にあらわれない細かい部分があります。

温度や湿度・気候など微妙な変化は、自分の肌で感じとって調整していかないといけません。
このような細かい点は、料理に真心をこめてつくっていないとできませんよね。

料理に真心を込めること。
これを念頭に置いて、うどんづくりをしています。

だから「やさしい味」と言われるとうれしいんです。

つくっている店が楽しくやっていないとお客さんも楽しめない

──今後の抱負や目標は?

大西──

数年前から、私の息子が店を手伝ってくれるようになりました。

少しずつやれることも増えてきていますので、いずれは私と担当を日替わりでチェンジできたらいいなと。

実は、私は接客するのが好きなんですよ。

今は厨房の中にいることが多いので、息子がいろいろできるようになったら接客をもっとできるようになるので、今から楽しみです。

あとは、スタッフみんなで楽しく仕事をしていきたいですね。
もちろん、いまも楽しくやっていますが、これからもそれを続けていきたいです。

ありがたいことに、人手不足が叫ばれるなか、当店のスタッフには20年以上も働いてもらえています。

やっぱり、スタッフが楽しくしていないと、お客さんも楽しめないですよ。

今は海外からのお客さんも増えましたが、そこは同じですね。

遠方から当店のうどんを目的に倉敷に来てくださるかたもいるんです。
本当にうれしいですね。

それに、観光地にありながら地元の常連さんも多いんです。
これも励みになっています。

お客さんにとっての「三つ星」の飲食店になれればいいなと思っていますね。

おわりに

手打ちうどん おおにしは、魅力的なうどんがたくさん。
選ぶだけで楽しい店だと思いました。

観光地のド真ん中にあるので、観光のついでに寄るのに便利。

ですが店主の大西さんをはじめ、楽しく真心を込めて店をやっているので、店の雰囲気もすてきです。

もちろん、うどんもおいしい。

おおにしを目当てに倉敷に来るというお客さんの気持ちがわかります。

ぜひ、観光客から地元住民まで幅広く愛されている老舗うどん店で、うどんと雰囲気を味わってみてください。

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