逃走する万引の容疑者を取り押さえたとして、神奈川県警幸署は26日、川崎市川崎区の専門学生蔦田裕大さん（23）に感謝状を贈呈した。蔦田さんは「一瞬ちゅうちょしたけど、行っちゃえって感じだった。貢献できてよかった」と、はにかんだ。
署などによると、蔦田さんは5月15日午後7時45分ごろ、同市幸区南幸町3丁目のコンビニで、川崎区在住の無職男（34）が飲料水の代金を支払わずに店外に出るのを見掛けた。声を掛けると、男は逃走。追いかけた蔦田さんは、近くのパチンコ店に逃げ込んだ男ともみ合った末に店前で取り押さえ、110番通報で駆け付けた署員に男を引き渡した。
「男が刃物を持っている可能性もあったけど、悪いやつを放っておけない」と言う蔦田さん。高校時代にも車上荒らしの現場に遭遇し、犯人を取り押さえたことがあるという。自衛官を志しているが、捜査する署員の姿に憧れを抱いたという。
長谷善明署長は「勇気ある行動と正義感に感服している。将来はぜひ警察官に」と言い、感謝した。一方で、別の同署幹部は「大変感謝している。ただ、犯人を追うと反撃されることもあるので、無理せずに通報してほしい」と話している。
