小泉孝太郎、松本清張原作ドラマ「眼の壁」で「親友役の上地雄輔の存在に救われた」

WOWOWプライムで6月19日にスタートする「連続ドラマW 松本清張『眼の壁』」(日曜午後10:00)の完成報告会に主演の小泉孝太郎、共演の泉里香、薮宏太、陣内孝則、内片輝監督が登壇した。

松本清張がベストセラー「点と線」に次いで発表し、社会派推理小説の起点になった記念碑的な作品「眼の壁」(新潮文庫)を、没後30年となる節目の今年に連ドラ化。1990年、資金繰りに苦しむ「ウキシマ電業製作所」の経理課長・萩崎竜雄(小泉)は、部長の関野徳一郎(甲本雅裕)と共に融資交渉に奔走していた。しかし、資金のめどが立った矢先、関野が2億円の手形詐欺に遭ってしまい、手形を奪われた関野も姿を消す。

小泉は「まず台本を頂いて全5話を読んだ時に『苦しいな、萩崎』と思いました。最後まで読むと本当に苦しくなる役柄。僕が関わる人はみんなゾクゾクするような、一体何を考えているのか分からないような人たちばかりで、誰を信用したらいいのか、何を信じて進んでいけばいいのか、あの苦しさはなかなか味わえないものです」と回想。第1話から苦しい作品になる覚悟を決めたそうで「役者としてやりがいもありました。完成した今はものすごく達成感と満足感に包まれています。素晴らしい作品と出合えたことを心から感謝しています」と喜んだ。

小泉演じる萩崎の高校時代の同級生で、新聞記者の村木満吉に扮(ふん)する上地雄輔からはVTRが届き、小泉は「雄輔とは3歳の頃に出会って夢を語り合った仲」だが、親友役をやることには不安があったと吐露。「仲がいいからこそ、そこでお互いに甘えが出たら嫌だなと思って。でも結局、僕は雄輔の存在に救われました。苦しい萩崎を演じる中で、役の中でも親友・村木に救われるので、それが実生活でも昔から付き合ってきた雄輔とやれたのは心から感謝しました。撮影が終わってから初めて『雄輔、本当にありがとう』って心から言って、ご飯おごりました(笑)」と心の支えになったことを打ち明けた。

ホステスで、事件の鍵を握る謎の美⼥・上崎絵津⼦役の泉は「ホステス役としての所作やダンスシーンもあるので、レッスンを受けて、学ばせてもらうことが多かったです。細やかな動きや女性として美しく見せる振る舞い方は勉強になりました」と言い、小泉とのダンス場面では「本当に至近距離だったので、終始ドキドキしていました」と照れていた。

手形詐欺を仕掛ける堀口勝を演じる薮は「Hey! Say! JUMPでやっている番組でも、僕がうそをついてだませるかどうかという企画では、大体だませない。今回このドラマで詐欺師役というのが出た時に、エゴサーチしたら“あの薮ちゃんが詐欺師なんてできるわけない”とあって、なにクソと思って頑張りました」と気合十分。いざ演じてみて「普段は経験できない役柄なので、変な言い方ですけど、人をだますのは楽しいなと思えました」と手応えを得ていた。

そして終始、小泉から「怖かった」と言われていた、金融業者・山杉喜太郎を演じた陣内は「内片監督に細かく演出をつけられ、中華調理を食べるシーンでは、僕は上品に食べようと思っていたんですけど、もっと下品にやってくださいと言われて。さっき袖でそのシーンを見ていた(小泉、泉、薮の)3人が『怖かった』と言っていたので、監督の言う通りやって良かったなって思いました」と演出に納得も、普段は「いい人」と強調して締めくくった。

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